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賞味期限を引き延ばせ
私を騙していてね
目を覚させないでね
気づかせないでね
やっぱりどうってことなかった
なんて
気づかせないでね
君のことが好き
君のことが
それだけがパワーなの
「この隙にお茶にでも行きますか?」
「僕も絵を描いたんですよ、良かったら……」
「いつもわりとこの店にいるんです」
物語の登場人物が
少しずつ増えていったとしても
私にはそんなの関係ないみたい
あぁ私
誰かに女として見られようと
努力し続けるのは
君のことが好きで
君にとっての女でありたいからだよ




