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記憶を頼りに恋う
あなたに最後に会ってから
もうすぐ一年が経とうとしています
今でもぼんやり思うのは
一定の飲酒量を超えた状態ゆえに
生み出されたあの無言の間が
肩があたるぐらいの距離まで
あなたを近づけさせたきっかけ
だったんだろうということ
この一年は不思議な一年でした
二ヶ月に一回会うことで
自然消滅を避けようと
踏ん張っていた頃とはまた違うステージ
それだけで楽しくなれるお酒もないし
約束された目標もないし
スラッとした姿を目にして
低い笑い声を耳にして
「男の人だ」と思う触れ心地もない
でもあなたは
まだ私の世界に存在してくれていた
会えないあなたに一生
「かっこいい」って言うから
永遠にそこに居て欲しい




