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一線を越えた先の傷
「佳代ちゃんは一線は越えない方がいいよ」
当時、その女友達の忠告が
私にはピンとこなかったことを
覚えている
触れたいし
触れられたい
それなのにダメなんて
一線を越えてしまったら
どうなるのだろう
私だって
それ以上は望まないのに、と
あれから幾月か経ち
一線を越えた訳ではなかったけれど
ついに男女の友情を少し越えてしまい
私はようやく
あの子の伝えたかったことが分かったの
段階を踏んで身を捧げ
否が応でも思い知らされたのは
「好き」の比重
鮮明に露わになってしまった
あなたの「好き」があまりに軽く
私の「好き」があまりに重いことを
胸のひとつでも大きかったなら
最初から色気目当てだと
割り切れたのだろうか
