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恐ろしい程に内的な文章
「私は本さえ読めればいいかな」と呟き
ペーパーフィルター内のコーヒーに
お湯を注いでいく女友達
室内灯が消された自然光のみの部屋で
私は人の家に干される洗濯物を眺めていた
私は無理だな
読むだけじゃ
観るだけじゃ
取り入れるだけじゃ
パンクしてしまいそうになる
吐き出したい
表現したい
どんなに拙くても
数ヶ月前から
ほんの少し時間ができたからと言って
何かしら生産性を上げなければ
怠惰であるような気持ちに勝手になり
労力の割に薄給すぎる商業的文章作成に
時間と精神を割いて
やっと分かった
私の人生に必要なのは
みんなが欲しがる素敵なキッチンよりも
恐ろしい程に内的な文章を
誰かが読んでくれる居場所
誰が読んでくれてるんですか?




