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「好き」の刻印
諦める方法は
其処此処に転がる
理性だ正論だと言い出したら
キリがない
その中で私が取ったカードは
「種族が違う」
というものだった
種族が違う
あなたが王族で
私がエルフ族
何かの弾みで
繋がってしまったとしても
一緒になることはないんだよ
それはもう
自然界の掟のようなもので
川の流れが止められないことと同じで
周りは言うだろう
「住む世界が違うのに
まだ仲良くしているの?」
私はきっと俯くんだ
「側に置いてもらえる間は、
側に居たいんだ」
種族が違うことを意識して
割り切ったはずなのに
逆に悲しみが露わになって
「好き」が痛いほど刻印されてしまった




