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何の進展もない恋物語
檻の中のその扉を
閉めておいてくださいね
鍵もしておいてくださいね
そうじゃないと私
出て行っちゃうんですよ
機会を逃せない悪い癖が
ついちゃったんですよ
檻の中も悪くはないんですよ
働きやすい環境なんですよ
本来、物語にはね
起承転結があるものなんですが
私の物語にはね
進めない鍵がまた
新たにしっかりと掛けられたんです
何の進展もしないんです
これからも
何ヶ月も何年も
でも私が得意なことは
「諦める」ことなんです
一生懸命諦めて生きてきたので
そんな状況でただただ残るものは
読み手にとってはつまらない
自分だけが救われる
何の進展もない恋物語




