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バレリーナの夢遊病
いつも私を頭上から
引っ張り上げていて欲しい
あなたの存在が
あなたに認められたい気持ちが
まるで糸で引き上げられているかのように
私の背筋を伸ばすの
他の人に見せている私の姿は
あなたありきの完成品
今まで磨こうとも思わなかった
ありとあらゆるパーツの数々
こうでもないああでもないと
高みを目指して
トゥシューズで跳ねてゆく
くるくるくるくる
ずっと興味がなかったんだよ
どう見られるか、なんてことは
テキトーだった
くるくるくるくる
腰から広がり回り続ける大きな花びら
これからも私を頭上から
引っ張り上げていて欲しい
その糸がいつかプツンと切られる日まで
私が猫背に戻るまで




