125/205
会ったら泣くぞ
「会ったら泣くぞ」
誰かに対して発した訳でもない脳内の言葉が
現実世界では就寝前の静かな涙に変わった
でもおかしいよね
なんでそんなに?って思われそう
だから頭を強く横に振り
思い込みの塊みたいな私は
他に優しく接してくれる人に電話をかけて
時間を楽しく埋めた
その埋め終わった更地に
力が抜けるようにしゃがみ込んだ私は
気づけばまた小枝であなたの名前を書いている
優しく接してくれた人が
もう私の脳内には綺麗さっぱり存在せずに
只々またあなたを想う時間に戻った
じゃり……
地面に残る自分の名前に近づくあなた
架空の世界で顔を上げる私
「どうしてあなたじゃなきゃだめなんだろう?遊んでくれる人なら他にもいるのに」
「ほんとにいるの?」
「……うーん」
「僕はわりと君に関わろうとしてると思いますよ。会えない時期が長くても」
……会ったら泣くぞ




