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magma
それまでは穏やかに楽しく
接していたんだ
「これは面白いかも?」
「これ報告したいなぁ」
「少しだけ気持ち溢してもいいかな」
控えめな私が
摘んだばかりの花を
見てもらうように
画面越しに手を伸ばしていたの
おかしくなるのは
決断の日が迫り始めた頃
気丈に振る舞うことを
余儀なくされていた私の
余裕のないどろどろとした欲の塊が
ぽこ、ぽこ、と泡を立て始める
おかしくなる
冬もそうだった
『こんな子だったっけな?』
とあなたはあの時も思ったらしい
こんな子だよ
嫌だったら離れて
追いかけないから
待ってるだけだから




