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夢を
人は夢を抱く
自身の作品に時間を忘れて魂を込め
我が子の進路に情熱を持って手助けをし
いつでも裸を見せられる身体作りをする
人は抱く
ほとんど叶えられないに等しい夢を
多くの人に評価されるような仕上がり
才能が開花するのは一握りだという道
恋焦がれる人にボタンを外される可能性
場合によっては
叶わなかったことに救われさえする
願いが成就したからと言って
幸せになれるとは限らない
けれど、
人は夢を大切に扱う
宝物のような気持ちを
まるで引き出しの奥に仕舞い込むかのように
胸の内に存在させる
「夢を見ていた……楽しい夢を」
人生を振り返る時に
そう思える程の




