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寂しさの瞬間は重ならないから
お互いの
寂しさの瞬間が
重ならない
そのズレに
心を慣らして
気持ちをぶつけずに工夫して
システムを構築していくことこそが
長続きする秘訣
そんな風に知ったような口を利いて
意図的に時間を流していくの
雑務による忙殺と興味への追求
盛大に遊んだ後の衣服を
これでもかというほど水流に投げ入れ
目の前で花瓶に
紫色のアーティチョークを生ける人を眺める
私の人生はまたこうして今日も
一日を終えてゆく
『代わり映えしない日々』なんて
自分に言わせない
私は誰も理解できないような水準で
どれだけでも時間を濃くできるんだよ
「あれ?今日は寂しいの?」
自ら余裕を生み出した表情で
頬杖をつく私に
寂しさを抱えた君がまた寄ってきた




