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猫になる許可をください
君とは対面で呑んでいると
平気なんだよ
「あ、大丈夫だ」って思えるんだ
テーブル中央に点在する料理を挟んで
私たちは他愛もない話に
何の色気も漂わせず
笑い合う
でもだめなのは横並びなんだ
君の隣にいると
甘えてしまいそうになる
なんかもう具体的な話題とかはいいから
雰囲気だけでこの場を過ごしててもいいのかな
と思ってしまう
女友達としてのサバサバを全面に出さずに
想いを喉を鳴らす猫のように肌から滲ませる
そこで君が少しでも私に触れようものなら
もうそれは
「女になる許可を今、
私にくれたって思っていい?」




