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この星では決して一緒にはならない
当時から不思議と惹かれていた
なのに恋愛依存症の私でさえ
恋に結びつけることはなかった
自分が生きてる界隈で
ちょっと高尚なお友達だった
そのお友達の日常の過ごし方を
瞳孔が開くような気持ちで
何度か聞かせてもらう機会があった
そのお友達が相手を敬う気持ちから
たまにぽろりと零れ落とす言葉を
静かに拾い続けた
そのお友達の曖昧で灰色な許容範囲に
私はぴっとりとくっついていた
それは
周りでは見かけ難い種類の向上心
それは
頼られる性分を与えられた者が
守るべき世界
そこは
誰にも理解されない関係性で成り立つ
小船が浮かぶ湖
まるで自分と重なるかのような生き方
似た者同士が一緒になることは
この星のバランス上
少ないんだ




