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音楽的精神年齢診断
とあるガールズバンドの演奏をきっかけに
自然と下された精神年齢診断
楽器音に呼応するように
身体がリズムを刻み出したb子は
明らかに19歳の私だった
まだ誰も目が覚めやらぬ明け方に
イヤホンで耳に蓋をして
静かな唇から架空の爆音を発するb子
あぁ、君はずっと変わらないね
この音に反応しているのはあの日の私だね
ベテランとしての仕事への憂いや
所帯染みた現実主義が
まともな大人としての年齢に
差し掛かっている周りの人々を横目に
b子はワクワクすることだけを
追求し続けるの
歌っている、ずっと歌い続ける
栄養重視の野菜を包丁で切りながら
順調に年相応の年齢を重ねていくa子の中で




