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純粋に美しい
新しい感覚だった
君が大切にしている人の話を
珍しくも耳にすることができた時
自然と「嬉しい」という感情が
芽生えていたんだ
不思議だった
よく分からない
何も聞かされずに
想像だけで過ごす日々は
一種の虚脱感と開き直りに
襲われていたのに
好きな人が
私に教えてくれる生活の一部
月明かりの下を
君とお姫様が歩く姿は
実際に目にしていなくても美しい
苦しんだ分、幸せになって
君が語りかけてくれるだけで
一人じゃないんだと思えてしまう、
どうしようもない私でごめんね
純粋に美しいと思ったんだよ
月明かりの下の二人が




