102/205
私、今もずっと生きてるの
思い出してしまった
ぶわっと思い出してしまった
色濃く好きだった日々を
当時繰り返し聴いていた曲を耳にした瞬間
思い出してしまった
イヤホンを耳に
私は皿洗いの続きに取り掛かる
いつでも消火できる準備が
整えられているからこそ
そのメロディが心地良い
生きている
生きていると、思う
窓から入り込む夕暮れの微風を
半袖の隙間から感じる
とあるミュージシャンは
同じ人への想いだけで
何曲も歌詞を書いているという
そんなことが可能なのだろうか?
とずっと不思議だった
今は
仕組みが
とても分かる




