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終わってる
どうしようもない自分を知っていた
だからこそ
「いい人でいたい、
いい人でいなければいけない」
という感情を持つ人物は
私以外にも紙の中に存在するらしい
バシャバシャと水飛沫が光る公園で
とある小説のそのような登場人物の言動を
説明してくれた女友達
「分かるわぁぁぁぁぁぁ」
木漏れ日の下
私は腕組みをしたまま
天を仰いだ
どうしようもないな、と思う
でも
自分に好意を向けてくれる人々さえ守れれば
それでもう全部いいんじゃないだろうか
同性と飲むならこの女友達と決めている
どうしようもない同士
傷を舐め合うのだ
あらゆる女友達が上手に
日頃の不満を多方面にぶつけながら
現実だけを生きている中
私たちが膿を出せるのは
夢の精神的若さを取り戻せる酒の場だけ
終わってる
のを、知っている




