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花火の音、雨の中
花火の音
聞いたのはいつ
今
思い出したの
雨の中
傘の下
花火の音を聞いて
前に花火の音を
聞いたのはいつ
ああ
なんだかすごく
そこは
魔法がかった空間のようだったはず
暗闇と人混みと
提灯と散る火花
ああ
私は
ピンクと赤を混ぜ合わせたような浴衣を着て
誰かの指と繋がって
林檎飴に跡をつけていたんだっけ
遠い昔の記憶が駆ける今
雨でも決行された花火の音だけが響き
私は急いで車に乗り込むの
守られた涼しい車内なんかではなく
あの日のように無茶ができる居場所を
確実に手に入れることができるなら
どんな理不尽な要求も飲み込める
大人になれるんじゃないだろうか




