落ちこぼれ魔法剣士が英雄と呼ばれた話 その7
ミグロptの4人
商人 ゴトー
学校長のヘンデバーグ
神霊官ロステラ
ミグロパーティーの面々と一緒に魔法剣士の学校に向かう
表向きはミグロさんーー(ミグロでいいよ言われるがミグロさんだよ、、)ーーと一緒に「G級昇格のご挨拶」ということで向かう
目的はゴトーのタレントとスキルとスキルを調べてくれといいたいが、本来は学校で卒業までにやる必要がある
本当に何もない可能性もあるので目的は告げずにいた
この「処世術」のようなものはさすがミグロさんだ
ゴトーは1年半ぶりの学校に到着
桜並木が懐かしいとミグロパーティーの面々、、ゴトーは1年前なので正直そこまで思い入れはない
学校長のヘンデバーグと神霊官ロステラとの面会だ
ミグロさんが「先日中央政府の通達でG級に上がることができました」
「ご指導いただいたお礼にこうやって回らせてもらっています」
「そのご挨拶がてら念のためスキルと才能ーー(今後はタレントで統一)を念のため調べておこうということになりましてお邪魔しました」
このあたりの口の滑らかさはマネできるものではない
来た目的は「お前らの手続き忘れの尻ぬぐいに来た」のだがわからないようにうまく発言をするものだ
ゴトーなら「学校で生まれながらのスキルもタレントも調べてもらってないのですが??なぜですか??」とか直球でいいそうだ
ヘンデバーグは神霊官ロステラに「そうかロスレラ神霊官 見てあげてください」
ロステラは魔石と比較しミグロから見ていく
次にエフカ、ドルマ、ピロリとみて魔石に記録していく
ゴトー以外内容が同じなのですぐに終わる
ゴトーの順になり、、、、「お、、、」と小声が出る
ヘンデバーグ学校長は異変を感じ取り、ロボステラ神霊官に問いかけようとする
が、、、、「これは。。。。。」とただならぬ雰囲気だ
ロボステラは「上位の神霊官と相談が必要ですね、今日はすぐに神霊協会に帰ります」
ゴトーは先に聞いていた金属装備の何か問題がわかり魔法剣士なのに剣士の特徴の金属剣が碌に使えないというのを言いにくそうにしているのだと思った
パーティーメンバーもそう思っていたらしいが、この日は本当に挨拶だけで終わった
その日は中央の冒険者組合に泊る
夜お酒をの飲むことになったがゴトーは余り酔えなかった
「魔法剣士で剣士ができないとは言いにくいのでしょうね、正直に言ってくれれば改善策は見つけるのに」
何か慰めの言葉をかけられても、いいお酒ではなかった
お酒は20才から?しらん
翌日朝から学校に再訪する
用件はひとつだが昨日と同様ご挨拶だ
学校長のヘンデバーグからゴトーに「ゴトー君には済まないことをした タレントと5種スキルを調べていなかった」
ミグロさんは白々しく「左様でしたか、、、、調べに来たかいがありました」と初めて知ったふうな口ぶり 役者だ
ロステラ「済まないゴトー君 私の調べ忘れだ 君にはいい知らせと悪い知らせがある」
ゴトーは打ち合わせ通り「いえ 良いものではない、全くタレントもスキルも無いのでおそらく言いにくいことでもあったのかなと思っておりました」
ロステラは「君はこれだ」「これを見てくれ」
タレントーー生まれつきの才能で後からではどうにもできないーー武器武具の作成能力向上50%
パッシプスキルーー生まれ持った自動発動するスキルーー金属装備1/4。。。。。絶望だもう
アクティブスキルーー攻撃や防御時に発動するスキルーー全魔法能力200%。。。。これはうれしい、かなり強い
ユニークスキルーー戦う個性?戦い方の指針ーー魔装備能力解放。。。。よくわからない
カウンタースキルーー発現なし ですよねーー、、、はあ、、、、
ロステラ「ゴトー君 残念な項目もあるがユニークスキルはこれまでの神霊官が見たことがない魔装備能力の開放だ」
「これは伝説級の非常に貴重なスキルだ」
ゴトーは全魔法能力200%--最大666%らしいがーーはうれしかった。。。。それはうれしかった
校庭に出よう とヘンデバーグ学校長
校庭に出て渡されたのは 何の変哲のない石の剣だ
ロステラ「ゴトー君 精霊剣は知っているか?」
精霊剣は石に込められた精霊を使える魔剣だ 見た通り石の剣で精霊を石の剣に封じ込めそれから魔法を使うように剣を振ると精霊の力で魔法の斬撃が飛ぶ
授業で習ったが、実際使用することはない
位置調整が非常に難しく、長い時間がかかるため、動くものに対してはほとんど命中しないとされている
ゴトーは神霊魔術は毒治療は得意項目であとは平均より少し下だ
ロステラは【イフリートを見せてくれ】といってパーティーと自身と校長を後ろに下がらせる
ゴトーは魔剣の石の剣から「イフリート」を選択する
石の剣から熱くない炎が出る
校庭の木をめがけて30m先から軽く振ってみる、、火が目標の木に当たり炎で焼き尽くす勢いだ
振ったゴトーもびっくりだ
次は「ウンディーネ」だとロステラから聞こえてくる
ウンディーネに切り替えると 今度は石の剣から水がしたたり落ちる
今度も同じ様に軽く振ると水が燃え盛る木から炎を消す
ロステラが興奮した声で「つぎはヌエだ」
同じようにヌエに切り替えるとしびれない雷が見える
木に向けて今度は範囲を絞って木に向かって勢いよく振る
勢いに呼応し雷が木に向かって飛んでいく
木はバチンと大きな音を立てて折れてしまった
誰もが驚いているが一番びっくりしているのはゴトーだ
剣技絶望の村人A、それも金属装備だと1/4と悪い、金属装備実質不可になる
魔法剣士らしく今は金属鎧を着て金属剣を帯剣しているが、学校では皮のあてもので授業だった
剣技も木剣で授業を受けていたので金属鎧を脱げば剣技が向上するわけでもない
今回は正式な訪問で金属鎧を着ているが、普段は動きやすいようにローブも着ず、なめした皮の鎧を着ている
剣技に必要な肉体技術はスキルなし、これまた村人Aと同様だ
良いところは索敵、攻撃魔法、回復魔法、能力200%
そして魔装備可能
学校でわかったことは嬉しいがやっぱり 魔法剣士だが剣技は素の状態でもへっぽこ剣士、金属を持てば落第生以下どころか村人Aの半分以下の能力に落ちる
身体能力も一般人、疲れの軽減もないし何かを無効化できるわけでもない
勇者に絶対になれない事がわかった
魔法は磨けばさらに威力も上がるし、使える量も増えるといわれたが、やはり勇者ダメというのが響く
伝説の武具なんて持てない、何か一大事でもなければ貸し出しもできない
用事が終われば当然返却 普段は 槍と弓装備
鍛冶職に便利な武器武具の作成能力向上50%ーーこれも666%が上限ーーは役に立つが鍛冶職でも金属物はダメ、、、、使い物にならなそうだ
金属ではない伝説の武具は持てるし能力も発揮できる
しかし前線は絶望でいよいよ討伐補助しかできそうもない
嬉しいが悲しい
しかし冒険者組合もエルデバランもゴトーの気持ちなど関係なく”伝説の勇者誕生”に湧き上がっている
即座に号外まで出る始末だが、周りの喧騒とは裏腹に”伝説の勇者の勇者抜きじゃん”と一人で突っ込みを入れる
心の声がおもわずミグロパーティーにも聞こえた
ミグロさんたちは「うまいこと言うなゴトー」と笑っているが本人は結構落ち込んでいる
中央の冒険者組合に寄り 様々な人から祝福を受けるが心は晴れない
言葉では「ありがとうございます精進して役に立てるようにします」といっているが勇者を駄目だしされた後だ
16歳で鑑定されるタレントもスキルも全く発掘してない状態で、キマイラ撃退ができた理由が
タレントがレアだったということだろう
しかしもうかっこいい金属鎧ともおさらば、肉体能力は一般人 剣は使えないでは気分が浮き上がるきっかけもつかめない
この時にゴトーもミグロパーティーも全員、、国民すべてかもしれないが大きな見落としがある
『魔装備の自力作成能力』だ しかも50%のボーナス付き
自分で伝説級の魔装備を作れる能力に気づいたのはしばらく後のことだ
この時は勇者絶望でスキルに落胆していて全く思いつかなかった
卯月はミグロさんのあいさつ回りで東の冒険者組合に初めて行った
東の冒険者組合は東に約2週間ほどかかる遠い場所だ
レモニウムと隣接しているため兵士が多いし施設も西とは比べ物にならないほど都会だ
ゴトーの噂はここにも流れており話しかけられることも多い
ミグロさんから「まだまだ駆け出し冒険者です ご指導をお願いします」、「剣技は見込みがなく魔法を磨くよう精進します」、「これまで通り、何でもできる魔法剣士の道を行きます」
この3つで大体足りるよとアドバイスをもらったので3つの言葉を繰り返している
こういった立ち回りははさすが勇者だなあと思わせる 世渡りにたけているというか、、、
季節は皐月になりもうじき水無月
ミグロさんの挨拶で北の冒険者組合に来た
東と一緒なので挨拶関連は省く
ここも物があふれるほどあり、田舎の西、、、国境の果てとは大きく違う
中央冒険者組合から北冒険者組合も2週間かかるのでもう移動だけで一月半かかっている
4万のアルボレナではG級冒険者は2パーティーだ
そこにはいれたのは幸運だ
ここでは「伝説の勇者の剣技が見たい」と心を抉られることを言われて実演する
伝説の勇者の勇者成分壊滅剣技みたいのか?あーーーん?とキレてみたい
商人ゴトーのポンコツ剣技に期待をするなよ
感動した、これはうらやましい、ミグロさんの知り合いの勇者らしき人は「ミグロ大切にしろよ」とか言われていた
実演が終わって「伝説の村人Aじゃん」と心の声がまたも漏れてしまったゴトー
西の冒険者組合に帰ってきたのは水無月になろうとしていた
「ヤバイ金欠」
冒険者組合で魔石を見た時に叫んでしまった
伝説の勇者でも金欠だよ
ほぼ3カ月仕事をしなければそれは無くなるよね
早速手早く稼ぐ索敵巡回に混ぜてもらう
あと3日おそかったら無一文だった
報酬の前借をしておく
伝説の勇者は借金を抱えるの巻だ
これまでと変わったことは攻撃魔術と索敵魔術、回復魔術の習熟を進めること
機械器具の改良をすること
お金を稼ぎまくること
この3つを進める
連射弓にコッキング機構ができていた
これまではショートボウを5回手で引いていた
回して弓を引っ張りひっかける方式に変わった
実際に撃ってみると次矢の装填確かに早い
石の剣より槍に持ち替え警戒するゴトー
残念ながら往復ともさして問題のあるモンスターは出なかった
往復でオーガ4匹と少ない 43人索敵なら余裕で討伐できる
西北の巡回の馬車が銀貨不足で借りれないので出来ない
新しく伝説の村人Aらしく弓生産を始める
通常弓用ではなく連射弓用の短いサイズだ
木を細かく切っていき羽根以外の部分を作っていく
羽根はつけて渡すが微調整は弓職人に任せたほうがいい
ひたすら木を切って木を削って羽根をつける毎日は巡回から帰ってきてから年末の葉月まで続いた
17才になったが相変わらず金欠のゴトーは南のゴブリンの角集めに向かう
昼は索敵スキルを活かし夜間は各魔術も習熟していく
ゴブリンの角を収めて即時売却一回当たり468枚
長月に2回ほどいったので何とか3カ月しのげるまでに回復した
17歳から収集系より製作系クエスト中心に受け始めたゴトー
折角製作系のタレントがあるのでそれを生かす
今は弓で基礎の木材加工からだ
金属部分にはタレントは適用されないので、木製の馬車の部品作りも始めた
製作系を始めてからか伝説の村人Aになったからか面会者特に若い女性が多くなった
単に話題の有名人に見に来ているのだろうと思っているが中にはこの農地ににつかわない奇麗なドレスを身にまとう女性も来る
やっぱり気にはなるよ 目立つし
でも今は冒険者としてランクを上げないといけないし連射弓の改良もしないといけない
剣が使えないのと一緒で槍の改良はしようがないなら選択肢は一つだ
馬車からヒントを得て一斉発射から改良連射弓を作った
何かもっとよくなるはずだ
夜は魔術の練習しつつ昼間は弓づくり これが討伐系が制限されている現状で安定的に、尚且つ魔術の習熟を進める一年にしようと決めた
霜月も同様 師走は索敵巡回から帰ってきたときに西の南への討伐が許可される
ミグロさんたちが偵察に回ってくれて5日目までという条件は付いたが収集系も再開だ
睦月に日ごろの成果を見てもらおう 4代目連射弓だ
回復のピロリさんも攻撃のエフカさんも索敵のドルマさんも一斉に弓使いだ
索敵は今日はゴトー
15mを切ったころに「一斉射撃」の合図でシビレ草つきの矢が一斉に飛ぶ
オーガは何が起こったかわからない様子で歩みを止める
念のためエフカさんもドルマさんもゴトーも火魔術3連で攻撃してからミグロさんの出番だ
手早く両腕と首を切り周囲索敵のドルマさんとゴトー以外で1分ほどでオーガ討伐完了だ
ゴトーの合図からもう1分もかかっていないとは驚きだ
ピロリさんの回復魔術の出番がないほど早い
ミグロパーティーの良さはこの息もつかせない連携だ
ゴトーなんて合図と周囲監視だけだもの
帰り道に西南の冒険者組合の施設を見学する
その時にミグロさんは
「僕は魔法剣士になりたくてね ところがパッシブスキルで魔術全滅だ」
「今のゴトーの気持ちはよくわかるよ 俺は学生時代だから金欠は悩まずに済んだのが救いだ」
エフカさんは「俺は木剣で剣術やったらびりでな もうすぐにあきらめた さらに金属装備1/2だったわ」
「やっぱり勇者は金属剣と鎧だよな ゴトーは槍とこの弓で卒業できたんだ はるかに優秀だよ そして努力もしたんだろ」
ピロリ「お前らまだ恵まれてるぞ 俺なんて回復以外なんの取柄もねえ おいドルマ ゴトー聞いているか」
「お前ら魔法剣士ってだけで恵まれてんだよ 贅沢すぎる悩みだ」
「俺は回復できる村人Aだぞ こら」
これが初めてではないピロリさんのドルマさんとゴトーいじり
ゴトーの村人Aはピロリさんの真似だ
ピロリさんは確かに回復しかできないが、魔法を渡すときにタレントで魔法消費30%減がある
回復魔術は通常の60%増しだ
優秀な回復魔術師なのはメンバー以外にも広く知られている
ゴトー
母と相談してこのあたりに住みましょう
働き者の母の監視の人間が要りますね
すぐに無茶をするからな
全員「お前がゆうな」
はい言われると思ってました
キマイラ単独で立ち向かった無謀ものです
反省はしていますが自重はしません
その日の夜、母と相談して引っ越しを進める
中央の冒険者組合で報告書は見に行くので2日休みにしてもらった
中央の冒険者組合で何か飯のタネを見つけようとするがなかなかない
エルデバランは約150万人の国
半数は魔術師、半数は物理攻撃、半数は索敵、半数は回復
何も使えない人間も6%いる
誤字修正してます
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