第零話
楽しんでいただけるよう頑張ります。よろしくお願いします。
……転生嫌な人はこの話読み飛ばすだけで結構変わります。
歩道を歩く青年が二人。
彼の名前は、界動陽月。平々凡々とした高校2年生。容姿を取っても何処にでもいるような中性的な顔立ちをし、髪色は漆黒とも認識出来る鮮やかな黒。
彼女の名前は、小鳥遊綾芽。彼女も彼と同じく高校2年生。彼女の容姿をみてみると、バランス良く配置された顔のパーツに軽く小麦色に焼けた肌。若干の黒が混じった茶色の髪。
「後ろ向きながらだと、前見えないから、危ないよ。」
と、陽月が警告を発するが、
「道は、全部覚えたし、車が来ても音で分かるでしょ。」
と、綾芽は全く取り合わない。
だが、横断歩道に差し掛かったときに車が来ていた。
「お前のせいで、綾芽が……、綾芽が………。」
陽月は、首を絞められながら、罵倒されていた。
「お前も、居なくなってしまえば良い。」
陽月は、困惑、混乱、錯乱。色々な感情に翻弄されながら永遠に、息絶えた。
「さて、そろそろ起きてもいい頃合でしょう。」
空間に、発生した音は響く事無く溶けて消えて行った。
『空間に』と、言うと少し語弊が在るかも知れない。
だが、少なくともその者……その場所に居る、たった一人の人間……にとっては、そう感じた。
「起きたのですよね?きちんと認識したのですから。」
見渡す限りでは、白や黒の色が水に垂らした油のように、マーブル模様で動き続ける……部屋のような空間。だが、其処には距離の概念は存在しえない。居る者が其処に感じた距離。その認識こそがその場所の距離と成る。
そこに居る、たった一人の人間は目を開いた。
「ここは?」
その人間の第一声となったのは、一言の疑問だった。
「ここは監理者の間。盟約に従い貴方を此処へ連れて来ました。」
何処からともなく、音が……響いた。その場所には、問いを呈した人間以外に、人影は見あたらず、スピーカー等の音を生み出す機械も無い。
「何処から?姿が見えないのですが。」
「あぁ、済みません。忘れてました。」
何も無い場所の、空間が揺れ、裂けた。
空間の裂け目から、人形が出て来た。……ように見えた。
「?……見えているのですか。何かが違うような?」
「えぇ、見えているのではありません。察えているのです。」
その人形は、若干面倒くさそうに応えた。
人間は、人形の雰囲気から焦り、考えた。
「ありがとうございます。では、盟約とは?」
「答えられません。そろそろ、本題に入ります。」
そこで、人形が若干ぶれた。
「貴方には、転生………いえ、他の世界で、零から生きてもらいます。」
「転生……ですか?」
不安に駆られていた人間は、予想を上回る解答に若干、自失した。
「認識としては、間違ってはいません。」
「自分一人だけですか?」
人形は、何故そのような質問をしたのか理解出来なかったが、肯定を返した。
人間は、落胆したように見えた。
「もう、良いですよね。転生させます。」
人間の、足元に影が発生した。
「貴方の来世に、幸多か………らんことを。」
何故か途中で、人形が獰猛に笑った。
人間は、足元の影に吸い込まれるように消えた。
人形がぶれ、空間が白く染まった。
「これで、変えてくれるはず。」
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部屋の中には、人が一人。
その人は、10歳位の少年で、机に向かっており何かしていた。
部屋に侵入しようとする人影も一つ。
人影は小柄だった。
人影は、こちらも10歳位の子で数少ない違いは、こちらは少女だということだろう。
少女の手には、少女の手に対しては、少し大きいナイフが握られていた。
少女が少年の首を狙いナイフを突き立てようとし………
一時間後に第壱話投稿します。




