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序幕 Re:vise

 護り尽くそうと誓った少女が俺の眼前で耳を劈くような悲鳴を上げる。

 彼女の身に何が起きているの全くと言って分からなかった。

 いや、違うな。何が起きているのかは見て分かる。

 彼女の身体が音を立てながら焼け、焦げているのだ。その身体からは徐々に水分が失われ、かつてそこにあった瑞々しい玉肌もすでに見る影は無かった。

 分からないのは何故それが起きているかだ。

 さっきまでいつもみたいに馬鹿話をして、目を合わせて喋って、ただただ駄弁っていただけのに。それだけなのに。

 どうしてこうなったんだよ。

 俺は彼女に声を掛ける。

 当然、返事は無い。彼女は悲鳴を上げ続けるだけだ。その眼から零れ落ちる涙は蒸発と気化をただ繰り返す。

 俺は自然と彼女に向かって手を伸ばした。


 熱い。熱い。熱い。


 俺の手は指先から肉の焼ける音を奏でながら彼女と同じように黒く爛れていく。


 一目惚れだったんだ。

 彼女を初めて見た時、ふと運命じみたものを感じた。

 なんだか、何処か会ったようことがあるような、懐かしさを覚えたんだ。


 もう一度、その手を掴む為に────


 俺は彼女の身体に指でそっと触れながら、口を開いた。


 「────俺がお前を、救ってやるから」

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