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PUPILLA −プピッラ−

作者: 白雪紅羽

あたしの瞳ね

あんまりいろんなものが

見えないの


汚れた世界はね

とてもはっきりと

映りこんでくるのにね


砂や瓦礫に埋もれ

踏み付けられた真実たちを


探し出したくて

さ迷い続けるのに


肝心のこの瞳が

フィルターをかけたみたいに

それだけを

見つけられずに

心だけがざわざわと

ゆらゆらと

いつまでも落ち着かない


呼んでいる

きっと呼んでいるよ


はやく

見つけだしてあげないと

もろく粉々に崩れてしまうよ


あたしね

今から神様に向かって

わがままを言わせてください


あたしの

この見えない瞳

この瞳の代わりに

あたしの探し物を

共に

見つけだしてくれる人を

あたしに与えてください


この旅は

決して楽しいだけじゃない

足元はいつも不安定で

いつまでも

砂を撒き散らす風は

容赦なく焼け付いた肌を

たたきつけ傷めてしまう


―何処へ?―


などという答えも曖昧で

この先に何があるのか

まるで想像さえ出来ない


だけど


神様


あたしに光を下さい


あたしの

見えない瞳の代わりに

あたしの手をとり

あたしの探し物を

共に

見つけだしてくれる人を


その人が

場所を指し示してくれさえすれば

あたしは

あたしのこの手で

砂を掘り瓦礫を砕き

あたしの胸に抱きあげるから


瞳の代わりに

なってくれるだけでいい

その人の身体にはひとつの傷も

絶対につけさせやしないから


せめてもの報いに

あたしがすべての嵐や闇から

その人をずっと守り続けるから


だからね


神様


わがままを言わせてください


あたしに光を下さい

あたしの

見えない瞳の代わりに

あたしの手をとり

あたしの探し物を


共に

見つけだしてくれる人を




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― 新着の感想 ―
[一言] 評価依頼を受けましたノラネコです。 この作品はすらすらといいテンポで読める作品だと思います。 しかし、最初の「あんまりいろんなものが」ここの「あんまり」を省く、または別の言葉に置き換えた方が…
[一言] 連チャン中のアルルです。詩ですか、良いですね。僕は詩がとても好きです。この詩は、創作ではなく、先生の心と取って良いですよね?解りますよ、僕は。何物とも繋がれない苦しさ、触れ合えない心。僕には…
[一言] >「romanzetto -ロマンゼット-」の方が私は好きですね。 >「盲目の少女」の『愛』の願い…でしょうか。 >欲しいものは自分の変わりに世界を見て教えてくれる「運命の人」。 そして…
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