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《02-3》

まだ説明( ̄。 ̄;)


††


 防具を貰って、とりあえず裸族を卒業した僕は、メトゥ・シに居住場所も世話してもらった。


 山の中腹にある洞穴なんだけど、ぶっちゃけ言えばビャクの住処。侵入防止の結界が張られているとかで、便利だから一緒に住めと云われた。

 

 最初は獣臭いし大きな白トラと一緒だなんて、ぶっちゃけ怖かったけどね……慣れてしまえば生きていけるッ!


 考えたら負けな気がした。





 山で暮らすにしても食物が必要だってことで、ビャクが食物の集め方を教えてくれた。山の生活は自分の食料は自分で採ってくる、働かざるもの喰うべからずが基本だ。


 食物集めだけど、野菜や果物とか木の実なら良いんだけど、お肉となると動物やモンスター種の狩りとなるんだ。


 山でのサバイバルの基礎はネクスが教えてくれるけど、なにせ何もかもが生まれて始めてのことだし、まして狩りなんてしたこともない。いくら知識で教えられたって身体が動くわけがない。


 最初はリスやネズミの変異種みたいな小動物の狩り方から始まった。


「あの、僕、小動物も殺すなんて、、そんなことしたこと無いんですが。」


「グルルルルッ」


「わぁかたぁ吠えないで、喉鳴らさないで、怖いから。」


「グルッ」


 はいはい、もう僕が喰い殺されそうだよ……




 最初に生き物を殺した時の感触は忘れない。

 

 野ネズミを捉え、ナイフで突き刺した感触、血が吹き出す音、感触、吐きそうになった。でもそれが嫌なら、飢えるだけだ。草食で暮らすのもいいけど、冬が来ればそれも叶わなくなる。


 冬が来て野菜や木の実が採れなくなる前に、獲物を捕まえること、モンスターを倒せるようになることが生きる方法だった。


 まあそんな覚悟はともかく、ビャクの生きるか死ぬかのスパルタ教育で、無理やりに狩猟訓練が進んだ。ネズミから始まって、慣れてくると兎の変異種に、やがて猪や鹿のような大型獣の変異種を狩る様になった。殺す感触とかそんな甘えたこと言ってられない、ビャクにせっつかれ脅され、大変だったんだから。


 最初はネズミを倒すだけでも大変だったよ。だって50センチもある大ネズミだし、何度も噛まれて傷だらけになるし、中には人間に害のあるウィルスを持っていたり、毒を受けたりでほんと大変だった。


 そういや偶にあのスライムもいて襲ってくるんだ。身体にひっつかれると肌や肉が溶かされ、中には毒を持ってて痺れさせてくる奴も居た。


 え、よく生きてるなって?うん、ナノマシンが治してくれた。ウイルスとか細菌とかは自動的にナノマシンが排除してくれるし、毒も中和してくれる。眼に見えない小さな軍隊が、僕の身体を守ってくれてると思うと、ほっとするよ。


 噛まれたりひっ掻かれて傷だらけになっても、ナノマシンがさくさくと治してくれる。これって異世界風に言えば再生能力とか毒無効化とかそんなんかな。



 狩りをしてて動物だけならまだいいんだけど、モンスターに鉢合わせしたり見つかることもある。こいつらは僕を獲物としか思ってないから、逃げるどころか襲ってくるんだ。


 身の丈2メートルもある黒蜘蛛、目が4つある熊のモンスター、全身に棘をまとって、長い牙で襲ってくる猪のモンスター、徒党を組んでいる大きな狼、そんな奴らが僕を餌だと思って襲い掛かってくるんだ。


 ビャクは時にはそいつらを威嚇し、時には戦って僕を助けてくれた。ほとんどビャクの圧勝だったけどね。でも僕が次第に狩りに慣れてくると、自分のことは自分でしろとばかりに放り出されてしまった。そりゃないよ~。


 最初はネクスにオートパイロットしてもらって、それで身体の動かし方とか解ってきて、徐々に自分の力で戦う事が出来るようになってきた。


 ついでにナイフ術とか剣術とか格闘技やらのデータを、脳と融合してるナノマシンを使って流し込んでもらった。それに合わせて体の作り、筋組織も運動に耐えうるものへと再構築されていく。

 

 ナノマシンって素敵だ。僕の体型はムキムキに~なんて事はならず、洗練されたアスリートみたいに変化していた。


《お母上の遺志を尊重しております。》


 あくまでも母さんの望んだ、完璧な女性美なのですね。母さん……最近じゃ高さ100メートルはありそうな大木だって、まるで猿みたいにスイスイと駆け上り、枝から枝へと飛び移れるようになりました。まるで忍者にでもなったようです。


 それに黒蜘蛛や狼、巨大グマのモンスターとも戦えるようにもなりました。僕の身体はこの山で生きるために、大分強くなったみたいです。



 それはそれとして、僕はこの山について考えるに、生きていくにはかなり危険な山だと思うんだ。弱肉強食の世界。弱いものは強いものに喰われてしまう、それがこの山の掟だとメトゥ・シも言っていた。

 山は動物とモンスターに溢れ、毎日生存競争という名の戦争が各地で起きている。でも唯一居ない存在、それが人間だ。


 まあ山の奥だからみかけないのかな、冒険者がいるわけだし、どっかには居るんだよね。


 僕の様子見にメトゥ・シが現れたときに聞いてみた。


「この山にもヒト族はやってくる。モンスターを狩りに、冒険者がやってくる。」


「冒険者ってモンスターを狩りにくるの?」


「そうじゃ、狩人は動物を狩り、冒険者はモンスター種を狩る者達だ。」


 僕の記憶だと"冒険者"はゲームとかに出てくる奴だ。モンスターを倒して、レベルを上げて、採取した肉やら牙やらを売ったり、加工して武器や防具を強化していく人達だ。


 ここでの冒険者は依頼を受けてモンスターを狩り、魔晶石や肉、牙、皮を採取して行くという。


 特に魔晶石が大きなレベルの高いモンスターは、牙や皮は珍重されるし、なによりもその肉が美味いということで、高級食材として取引は盛んだという。


 言われてみれば、動物よりモンスターの方が肉が美味しい。


††

あと一回更新予定(説明)ですが

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