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料金上乗せお願いします!

作者: 疾未

 


 はじめてのゲーム level.0


 買うおがなかったし、第一言語が通じないんだからできるはずなかった。

 同じ国に住む違う国の子がゲームをしているのを眺めているか勉強をするか、とにかく友達なんていなかったし、一人でいた。

 勿論言語なんてその内不自由なく使えるようにはなるけど、最初にも言ったようにお金がなかったんだ。

 つまり言いたい事は、僕がゲームに触れる機会がなかったってことだ。


 そして、今日、遂に ̄ ̄ ̄



 はじめてのゲーム level.1


「あの、一番メジャーなゲームください!」

 一見駅まで行きたいんですけどどうやっていけばいいんですか何て事をネイティブな英語で聞いて日本人(わたしたち)を困惑させる美しい外人、そんな感じだ。

 しかし実際はとても流暢な日本語で喋りかけてこられ、あっこれって逆に困惑するんかwwwwあ、違う違う。こんな呑気に構えてられない。客でしょ客。えっとなんだ、

「一番メジャーなゲーム、ですか」

 まあ、マリコシスターズだろうな。

 美しい外国人客はキラキラとした眼でコクコクと頷いている。

 なんとなくプレッシャーだお。

「マリコシスターズとかじゃないでしょうか、中古とかも多いですし」

 店長にはもう無愛想でいいから決して笑うなと言われているほどの、自分の笑顔の殺傷力。しかしその私の無愛想を気にする余地もないかのように希望の眼差しを向けてくる。

「じゃ、じゃあそれを!」

 カウンターから身を乗り出して・・・大丈夫かこいつ・・・あ、あかん、大事な客だ、カモだ。

「はあ・・・」

 客には見えないようになっている自分の足もとには、大量の中古品ソフトが籠の中に乱雑に入れられている。マリシスは・・・と、これか。 あ、waaかDFどっちだろ。 

「waaソフトとDF、どちらでしょう?」

 彼はニコッと笑って首を傾げる。

 不覚にもきゅんとしてしまった。

 く、こ、こいつ、油断ならない!

「うーん、じゃあ、どっちもで!」

 ニコッと笑う。

「¥6000になります、」

 彼の財布の中がチラリと見えたが、眼をむいた。

  ̄ ̄ ̄札束!

「はい」

 そこからでてきたのは誰もが憧れるゆきっちゃん・・・

「お、おあずかりします・・・」


「ありがとうございましたー」

 自動ではないオンボロ透明ガラスドアを押して、嬉しそうにソフトを抱えて消えていった。

「そういえばあの人、WaaもDFも分かってなかったけど・・・本体持ってんのかな?」



 はじめてのゲーム level.3


「上がって上がってー」

 高層マンション・・・・・そう、都心の高級なマンションの最上階の超綺麗で高そうな部屋に何故フリーター喪女がいるのかというと・・・

「いやあ、恥ずかしいことにゲームをしたことがなくてね・・・・」

 いやいやそれが健全だよ!いいことだよ!

「はあ・・・・」

 そう、やはり美しい外国人はWaaもDFも知らなく、本体を持っていなかった

 それが発覚したのは数時間後で、電話がかかってきて、「ソフトがtelevision|(やけに発音がよくて最初は何言ってるのか分んなかった)に繋げない!」だとよ。

 というわけで後日、自宅に中古の本体を届けに行く|(もちろん料金は上乗せ)ことになった。


 そして今日。

 どういうわけか部屋にあがってゲームをすることになった。


 これは、料金上乗せするべき?


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