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ただ花粉が目に沁みるだけ

作者: しろかえで

今日はしろかえでの『火曜真っ黒シリーズ』です(^^;)




初めての待ち合わせで

私の胸はドキドキ


時間よりずいぶん先に来たカフェで


カップの冷め具合と

お花摘みのタイミングを気にしながら

コスメパレットに映る自分の造作へ無駄な抵抗を試みる


カレは私の……

どこが気に入ったのだろう

その訳は

じんわりと分かりそうなのだけど

分かってしまうのは恐いから

気持ちをメルヘンに替えて

カレをあったかい人と

思い込む


そうやって咲かせた心の花を

カレに差し上げたくて

気持ちが載る様に

頬に紅さす


ふと、ミラーの端に

カレが横切った気がして

慌てて振り返ると

窓枠はまるで映画のスクリーンの様に

去る女と

肩を落として見送るオトコの背中を映し出す


私、混乱の中

心の奥底で合点がいって

レトロなソファーにズブブと沈む


ああ、そうだ!


今は春だ!花粉だ!


これは花粉が目に沁みただけ

だから目薬をさすだけ

そうやって

ハンカチで目薬を押さえて立ち直った時

ドアのベルがカララ!と鳴って

カレがズンズン入って来て

無言でテーブルの上の伝票を掴んだ



今日これから

私の身に何が起こっても

きっと私は言うのだろう


「ただ花粉が目に沁みただけ」と



なんでこうなってしまうのか??!!


悲しい……(:_;)



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