流派の戦い
深夜テンションで書いた物です。酷かったらすみません。
千刃流、それは極めるのが難しいと共に極めれば最強と言われている流派。どんな勝負でも勝てるような流派。
蒼炎流、それは極めるのが難しいと共に極めれば強いと言われている流派。近接戦闘に特化した流派。
千刃流と蒼炎流、どちらも極めるのが難しいが凡庸か特化かが違っている。その、最強を争っている二つの家の間で行われる試合が始まっていた。
どちらも同じ様な強さ、5戦ある内の4戦はどちらも2勝で終わった。勝負の結果はこの試合で決まる。
★★★『覇』
「試合、開始!」
この試合は1対1なら何でもあり。俺も全てを使う。体も、技も武器も、全て。
「貴方が今世代最強の千刃 覇?」
「あぁ」
「弱そうね、精々すぐに終わらないようにね」
この会話さえも作戦のうち、それはあちらもだろう。俺の嘲笑うような声が相手に聞こえると共に相手は動き出した。待つ訳が無いだろう。千刃流にも蒼炎流にもフェアな試合にする為に2人の間は15m。
「蒼炎流 炎纏!」
炎纏で移動、いや力を上げているのか。でも、走る時間が勿体ないだろう。千刃流はどんな場面でも勝てるような流派。遠距離も中距離も近距離でも。
「千刃流 参の斬 『飛槍』」蒼炎流は近距離に特化していて、相手と1体1なのが前提。だからこそ、余裕がある内は技の名を声に出す。でも、千刃流は暗殺でも何でもいい、勝てば良いのだから。だから、技の名を声にしない。見つからずに狩る
「ッ!!」
彼女は目に見えづらい衝撃波を刀で切り裂く。見えづらいはずなんだが…まぁいい。飛槍を放つ為に抜いていた刀を仕舞い。抜刀の構えをとる。
「蒼炎流奥義 理実炎壊!!」
蒼炎流奥義は究極の突き。4つに分裂したように見える程の速さで放たれた突きは、4の突きは見間違いではないと実感する。全て実体があるのだから。強いことが伺える。
だからこそ、千刃の最速で。「千刃流 零の斬 『振刀』」高速の突きと最速の抜刀。左から右に振られた刀は突きにかすることも無く、彼女の胴に当たる。突きは、急所を外すように刺さっていた。俺の刀は心臓を通る太刀筋。彼女は良くて、動きを阻害する程度。
俺の勝ちだ。
「千刃 覇の勝利によって、千刃流の勝利!!」
その、声と共に千刃流の奴らが雄叫びを上げる。
そして、蒼炎流と挨拶をする。
「「ありがとうございました!!」」
泣いてる奴、喜んでいる奴、色んな表情の人間がこの道場にはいる。勝って良かったと思える。達成感に浸かっていたい。そう思っていた俺に彼女は近づいてきた。
「ちょっといいかしら?」
「あぁ、いいぞ」
そう、と言いつつテラスに俺を連れていく彼女の目は腫れている。泣いたのだろうが触れてはいけない。テラスには夏らしく日差しが照っていて人は誰も居ない。
「私ね、人に負けたのは初めてなの。こんなに悔しいのね。あぁもう…」
彼女の目からは涙が出ている。本当に負けたのが初なのならば悔しいのだろう。俺だって、爺に負けた時は悔しかった…勝つ為に努力をし続けて来たんだ。気持ちは痛い程分かる、分かってしまった。
「悔しいのならば俺を超えてみろよ。何時でも受けて立つ」
「えぇ、そうね。私は貴方をこえてみせるの」
数年後には挑んできた彼女と恋に落ち、千刃家と蒼炎家同士で初の夫婦になっている事をこの時の俺は知らないのだろう。
そして、俺が負けてしまう事も知らないのだろう…
悪役と恐れられる日々に繋がりはあります。あっちも更新頑張ります