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地の妖精ノームの大冒険  作者: 風 ふわり
みゅーちゃん編
9/97

ガルーダ様

 ある朝、みゅーが、家を出ようとしたら、扉も窓も開かなくなっていた。


 「みゅみゅみゅっ! ぢょうして(どうして)?」


 パニックになって、あちこちにぶつかったみゅー。


 「痛いの……」


 結局、開く事もなく、時間だけが過ぎていった。


 「ぢょうしちぇ(どうして)も開かないの……」


 疲れて、少し落ち着いてきた頃、何かカバンに入っているかもしれないと、探してみれば、 "みゅーちゃんの豆ハウス説明図" と書かれた巻物を発見する。


 それは、図解してあり、みゅーにも分かりやすく書かれているものだった。


 みゅーは、早速広げて扉部分を見た。最初に、オートロックと書いてある。


 何の事だかわからなくて、少し考えてみたが、木の扉に見えるけど、もしかして、岩の扉だったのかもしれないと、勝手に納得した。


 次は、雲から雫が落ちている絵に、赤でバツ印がついている。


 「こりぇは、雨が降っちぇりゅから、水が入りゃないように開かないのかしら?」


 窓にも、同じような図解が書いてあるので、それで間違いないようだ。


 今日は出られないのだと、早々に諦めたみゅーである。


 ◇◆


 翌日には、外に出る事は出来たが、水捌けの悪い場所が所々にあって、小さいみゅーには、沼地になり「溺れちゃうの」と、大騒ぎである。


 顔面から、コケて突っ込んだ時には、どうしたことか、ガルーダが助けに来てくれた!


 みゅーが、我に返って、お礼を言う前に飛び去ってしまい、また監視を始めてしまったが……。


 「食べないで、ぢょうして助けてくりぇちゃのかな?」


 考えごとして歩くものだから、みゅーが、泥に突っ込んだ回数は、10回を越えた。


 「うみゅ、泥食べちゃっちゃの。うぺっ」


 流石にイラッとしたガルーダは、みゅーを助けた後、留まって初めて話しをした。


 「お・ま・え・は・ア・ホ・か!」


 「みゅーは、アホじゃなくて、みゅーって言うんぢゃよ」


 満面の笑み。


 顔を引きつらせながら、「もういい。分かったから、今日は、終いにしろ」


 「みゅみゅっ。まぢゃ、夕日の方角がわかりゃないから、頑張りゅの」


 「夕日の方角とは何だ?」


 「みゅーが向かう先なの」


 「山か。それより、お前、黄色い竜とどんな関係だ?」


「黄色の竜しゃんっちぇ、アシャトのお庭に居りゅ、ルビしゃんぢぇすか?」


 「あれは、ルビと言うのか……呼び名があるのか。生意気だ」


 「みゅっ、あなちゃは、鳥しゃん?」


 「たわけー! 鳥などではない! 我は、偉大なガルーダ様だ!」

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