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地の妖精ノームの大冒険  作者: 風 ふわり
白鼠ネズちゃんの願い編
89/97

話しは続く

 「陛下、妖精を拉致した者達の取り調べが終ったようです」


 「そうか。では、報告をするように」


 「しかし、ここには……」


 言い淀む大臣。


 すると、竜王が口を開いた。


 「先程、試させて貰ったのでな、この男は関わっていないと我が断言しよう」


 デントラル司教は、己が疑いを掛けられていた事にしばし呆然としたが、この席から排除しない陛下の信頼に気づき、更に姿勢を正すのだった。


 「竜王様に試されていたとは、不覚の致すところでございます」


 「小さき者が、『海の神』を調べ巻き込まれたが発端でな、『海の儀式』『復活』『生け贄』『サーホエール』の用語が使われていたと聞いておる」


 「『サーホエール』の『復活』! まさか、サーホエールは生きているとでも?」


 カタカタ震えるデントラル。


 「見よ、この男は、信頼するに値する男よ」


 その場に居合わせた者全てが、竜王の言に納得がいった。


 竜の優れた五感があれば、少しの汗の臭いも鼓動の音も見逃す事はない。


 いるとすれば、竜騎士のフィンディアルぐらいだが、そうだとしても、最大の弱点のアサトがまるわかりなので、今のところ脅威にもならないのだが。





 「では、ご報告申し上げます」


 「申せ」


 「今回捕縛した輩は、ほとんどの者が教会信者だと言う事が判明しました」


 ガタッ。(椅子から立ち上かった音)


 「何と言う事だ!」


 「デントラル、落ち着きなさい」


 返事も忘れて、フラフラと椅子に座り込む。


 「残りの数名は、金になると思い加わったそうです」


 「フム、指導者が誰かはわかったのか?」


 「いえ、それが、サンドベルの教会職員である事は間違いないようですが、今、調べに向かわせているところです」


 「他に、何かわかった事はないのか?」


 「これには、我々の海への畏れが根底にある事が関係しているようです。それから、隣国に住まわる神子(みこ)様や竜への恨み事も訴えておりました」


 「竜への恨み事とは、聞き捨てならんな」


 「竜王様、失礼は承知しております。ですが、隣国ばかりに出入りされる貴方様方を羨ましく思ってしまう『民』もいると言う事です」


 チクリと痛いところを突かれてしまった。


 「そうであったか。ご苦労、下がって良いぞ」




 騎士達が退席すると、また四人になり密談は続いた。

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