その頃の妖精さん達
みゅー達が運ばれたところは、サンルームのようにポカポカと日が当たる花や木や草がきれいに手入れされている場所だった。
「ふみゃあ、お屋敷のお庭みちゃい」
「暖かいですね、みゅーさん」
「宮殿には、こんな場所があるのか」
騎士は、真面目にみゅー達を送り届けた。
テーブルの真ん中には、水晶のお皿があり、その中には、飴色の蜜が注がれていた。
「みゅみゅっ! 蜂蜜ぢゃ」
「ちゅー」
その周りにいるオレンジやピンクの点滅は、花の妖精達だ。
みゅー達は、クッションからピョインと飛び降り、蜂蜜に顔をつけた。
「ふみょみょ、あま~い」
ネズは、手につけて口に入れて舐めた。
「美味しいでちゅー」
興奮すると、ちゅーと言ってしまう可愛いネズちゃん。
ノーサスはと言うと、観葉植物に寄りかかっているノーミードを見つけて話しかけていた。
「君、ノームの里で見ない顔だ、何処から来た?」
「ノームの里になんて行かないもの。だって、ムウは、ずっと妖精と暮らしていたんだから」
「そう。じゃあムウと一緒にいた妖精も捕まったのか?」
「ううん、オルルは逃げたと思う。だって、速いもの」
「どうして捕まったのかわかるか?」
「ううん、ずっと泣いてたから知らないわ」
「そうか、今度は捕まらないように気をつけるといい」
「うん、人を見たらすぐに逃げるわ」
「それがいい」
情報を得られなかったノーサスは、みゅー達のテーブルに戻った。
すると、蜜まみれの妖精が翔べなくなっているのと遭遇する。
「蜜が、蜜が、とれなーい!」
「好物なんだから、舐めたらいいだろう?」
「あ、そかそかって! 羽まで届かなーい!」
「プッ」
『妖精って、賢いのか阿保なのかわからないな』
ノーサスはそう思って笑った。
みゅー達は、すぐに満腹になってしまって、妖精達が蜂蜜まみれになるのを観覧中。
「みゅーさん、羽まで濡らしてしまって、妖精さんはどうやって翔ぶのでしょう?」
「みゅみゅっ。ふみゅみゅっ、しょうゆう時は、じっくり観察しゅりぇばいいっちぇ、リョリエンしゃんが言っちぇちゃよ」
「そうですか、では見ている事にしますね」
「ネジュちゃん、見ちぇいりゅちょ蜂蜜舐めちゃくなりゅね」
「キキッ、本当ですね」
と、まあこちらもエンドレスで蜂蜜漬け。
結局、みゅーがドームを出して、みんなで水浴びしてさっぱりさせた。




