お転婆みゅー
「教会ではなく、人の情報が集まるギルドとやらに行くとしよう」
「みゅみゅっ。ギルヂョなりゃ、受け付けの人を知っちぇいりゅよ」
小人さん達とは別れて、また移動です。
やっとギルドに着いた頃には、戻ってきた冒険者さん達がわあわあ揉めていました。
「それは、オレの活躍で倒した皮だろう」
「分配は、仲間なんだから平等に決まってる」
「お前等、恥ずかしいから止めろって!」
三人組の人達です。
「前々から思っていたが、どっちが強いか勝負しようぜ」
「フゥ、役割が違うだろうが」
「ほら見ろ、腰抜けが!」
「何だと!」
「止めろって」
三人がギルドの入り口で、掴み合っていまちゅー、恐いです。
「退け!」
今度は、四人組の人達が来たようです。
「ふみゅっ? 尖りお耳……ふわふわ尻尾! みゅみゅっ」
みゅーさんがピョイ~ンとその中のふわふわ尻尾に飛び付いてしまいました。
「キャーッ、何?」
振り向いた人は、スフィナちゃんみたいな獣人さんです。
「……」
竜王様は呆れていまちゅー!
「ここか?」
台の下に隠れていましたが、痩身の男の人にどうしてか見付かってしまいました。
「白いネズミ? それから……トカゲか?」
「小さき者よ、目を瞑っておれよ」
カーーッ。
突然、目の前がピカーッと光って……。
気づいたら、竜王様が少し大きくなっていて、ガシッと手に掴まれました。
飛び出した竜王様は、尻尾からポロッと落っこちていたみゅーさんを拾って、暗い空に飛び出されたんでちゅー。
「ワハハハハッ」
竜王様は笑っています。
「アサトが心配する筈だ」
魔法を放たれたのか、ヒュンヒュン聞こえます。
それを余裕で代わす竜王様。
「みゅみゅっ。目がキラキラしゅりゅ~」
「逃げる為に、目眩ましを使ったのだ。見ていたのなら、暫くの間は、そのような状態が続くであろう」
「ふみゅみゅみゅ~」
私は、目を瞑ったので何ともないですが、みゅーさんが可哀想です。
「このまま海に向かうとしよう」
■
ザザーッ、ザザーッ。
ビュ~、パシャシャシャシャシャ。
聴いた事もない音がしています。
ただ、真っ暗なところに、白い模様が浮かんだり消えたりしていますぅ。
「このまま大陸の端まで飛んでみよう。小さき者達よ、何か気付いたら知らせるのだぞ」
竜王様の手から、プラ~ンと下がったまま下を見ていました。
「白い模様しか見えませんね?」
「ふみゅ、白いの何かな?」
「波と言う物が揺れてそう見えるのだ」
「凄いでちゅー、竜王様は強くて物知りでちゅー」
「みゅみゅっ。ふみゅみゅっ」
端まで来た時に、崖の岩穴からゆらゆらと光りがパチパチしていました。
「ふみゅ? ガリューヂャ様の家みちゃい」
「光っているな。よし、そこで少し休むとしよう」
穴の前に突き出た場所に、ソッと降ろされました。




