ノーサスを探して
「ああ、家のチッコイ子達は、どうしてこうチョロチョロするのかなあ」
「アサトオチツケ」
風神に宥められ、ローちゃんがさっきから、子守り歌を歌ってくれている。
「あぁあぁあー♪」
「うん、ローちゃんは本当に歌が上手。充分癒されたよぉ」
やわやわ頬っぺに頬擦りする。
「ぷぅぷぅあぷぅ~♪」
そんな二人を見ていた風神。
「ジンニハイヤサレナイノカ?」
「いや、だって、知らない人(顔)だしー」
※風神は、知らない男の人に勝手に擬態している為。
「……」
ショックを受けたようで、フラフラ何処かに行ってしまった。
戻って来た時には、アサトが仰天するのだが、それはまた次回(あるかどうかは、わからない)。
■
「でーはー気ーをつーけてー」
「クワァー(さよなら)」
「みゅっ、待っちぇちぇねぇ~」
「頑張りまちゅー」
噺鳥さんに乗った親玉さんとコルネラさんは、お山の近くの入り口に降りて行ってしまいました。
竜王様に乗せていただいているみゅーさんと私は、山を越えてお隣りの国に行きます。
「重苦しいこの感じは、覚えがあるぞ」
竜王様が何かを感じたみたいですぅ、怖いでちゅー。
「昨夜話した通り、あの町の教会に居ると思うのだな?」
「みゅっ、ヂェリュが住んぢぇちゃ町の近くに教会がありゅっちぇ、ノーシャシュにお話ししちゃかりゃ、きっちょそこぢぇ調べちぇりゅよ」
「まあ、噺鳥がこの町で降ろしたと言うのだから、我もそなたの勘を信じよう」
お二方の話しで、目立つ家の脇にある灌木に竜王様は、フワッと降りて下さいました。
それから、私ぐらいに小さくなった竜王様。
「この姿では、流石に小さき者達を乗せて飛ぶ事は出来ぬから、心致せよ」
「みゅみゅっ。みゅーもネズちゃんも走るの大好きぢゃから、大丈夫ぢゃよ」
チュチュチュウ。
「では、我の後をしっかり着いてくるのだぞ」
風が止んだと思っていたんです。
でも時々、横の方で葉が舞ったりしてました。
「みゅーさん、ここだけ風が吹いてませんね」
「みゅみゅっ。ふみゅみゅっ?」
ふわふわ浮いている竜王様を見上げたみゅーさんは、「うみょー!」と言っていました。
「ネジュちゃん、こりは、アシャトがしちぇくりぇりゅ、結界ぢゃちょ思うみゅみゅっ」
流石竜王様です。もう守ってもらっていたんですね。
埋まっている屋根の周りに溝があって、そこが、壁の役割をしてくれて、小さな者達が隠れて移動出来るようです。
「まさか、竜!」
三つ目の家の横には、赤青黄色の帽子を被った小人さん達が隠れていました。




