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地の妖精ノームの大冒険  作者: 風 ふわり
みゅーちゃん編
8/97

3日続く

 「うみゅ! こっち、来ないぢぇ!」


 このところのみゅーには、困った事がある。


 それは……。


 ◇◆


 みゅーは、夕方、日の傾く方角を地面に書いて、更に木の棒を置いて、方向を決めていた。


 翌日、その方向にある大きな木や、岩、花等を目指して歩くのだ。


 今現在、みゅーが歩いているのは、ランダル領の入り口から外れた、スカラル領近くの草原(くさはら)だ。


 目印確認で、上空を見ていたみゅーは、あれから、青い空に真っ赤な鳥を目撃するようになった。


 「みゅみゅっ! こないぢゃの鳥しゃんなの!」


 必死に、草の影に隠れていたのだが、向こうは、視力の良い鳥類の魔物。


 如何に、みゅーが小さいとて、見逃す筈もなく、あれから、毎日見張られている。


 「なんぢぇなの~? みゅー食べちぇも、美味しゅくないのにぃ」


 みゅーは、ぷくぷくほっぺをぷうと脹らませていた。


 また、日が傾き始めたので、そろそろ今日も終わりにしようと、思った時に「リーンリンリン」と、花飾りが鳴ったのだ。


 「また、来ちゃの! パラリンみゅみゅ~」


 ガルーダは、一度前方に降り立ってから、歩いて近づくので、みゅーは、素早く眠りの粉を撒く。


 すると、そのまま横に、バササと倒れるのだ。


 今日で、こんな事が3日続いている。


 兎に角、日が沈む前に方角を書いてしまわないと、明日進む事が出来なくなってしまう。


 急いで目印をつけて、それから、家を出した。


 「早く、家に入りゃなくちゃ」


 不思議な事に、家に入ると、煩かったガルーダのイビキは、ほとんど聞こえなくなった。


 そして、明日の朝には、ガルーダは、もう家の前にはいないのだ。


 「もう、しちゅこい(しつこい)の! はふっ、今日も疲れちゃ……」


 ◇◆


 みゅーは、夜、勉強していた。どうしてかと言うと、アサトがくれたバックには、紙や色が着く塊、お手紙道具一式が入っていたからだ。


 アサトに教えてもらった、文字の練習をして、今日見た綺麗な花を思い出したりして、紙に書き写したりしている。


 「いつか、アシャトに、お手紙書くんぢゃから、もっと頑張りゃないちょ」


 どうみても、子供のイタズラがきにしか見えないが……それでも、アサトは貰ったら、感動するのだろう。

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