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地の妖精ノームの大冒険  作者: 風 ふわり
白鼠ネズちゃんの願い編
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白鼠ネズちゃんのレポート4

 「みゅみゅみゅっ、ネジュちゃん、みゅーと一緒にノーシャシュを探しに行っちぇくりぇりゅ?」


 は、初めてお願いされたー~♪



 チュッチュチュウチュウ。


 「が、頑張ります」


 「ネジュちゃん、ありがちょうー♪」


 みゅーさんに抱きつかれてしまいました。


 「チョンチョン、世話ーを掛ーけてごーめんねー」


 「みゅーさん、ノーサスの事……宜しくお願いね……」


 親玉さんもコルネラさんも暗い顔しています。


 「モヒ」


 テシテシテシ。


 あ、ハムタックさんは何か言いたげですが……。


 そこに、昨夜帰ってしまわれたと思っていた竜王様が、ルビさんと一緒に小さな姿のまま現れました。


 「小さき者達だけでは心配であろう」


 「まさか、白銀王(プラチナキング)が着いて行ってくれるんですか?」


 「そう泣きそうな顔をされてしまえば、皆が心配するであろう」


 ローちゃんを抱いたアサトさんが、みゅーさんを困ったように見詰めていたんです。


 「アー、アー」


 ローちゃんもアサトさんの頬に手を伸ばしています。


 さっきのハムタックさんも、きっと心配して止めようとしたのかもしれません。


 「白銀王(プラチナキング)が着いているなら安心して任せられます。どうか、みゅーちゃんとネズちゃんの事、宜しくお願いします」


 「僕もぉ、行きたいかなあ」


 「ルビさんはお仕事に行ってね」


 暢気なルビさんは、アサトさんに苦笑いで注意されていました。


 「では、主発する前に、ここの美味な朝食をいただこう」


 「沢山ご馳走しますよ」


 やっと笑ってくれたアサトさんに、みんなが笑顔になりました。


 *


 「ネズちゃんにはこれを」


 「チュー、うわ~」


 みゅーさんみたいな可愛い柄の袋をお腹に着けてくれました。


 「両肩に通してあるから、脱ぐように頭から抜いてね」


 「私にまでありがとうございます」


 「ネズちゃん、みゅーちゃんは怖いもの知らずだから、危ないようだったら止めてね。頼んだよ」


 「お、お任せ下さい! 私が必ずみゅーさんを守りまちゅー」


 頼りにされました。それにみゅーさんを守る為なら、この命……。



 「ネズちゃん、ネズちゃんも危ない事しちゃ駄目だよ。俺もみんなも心配しているんだからね」


 「みんなが心配? 私を?」





 今日という日は、女神様からのプレゼントかもしれないです。




 「ネズは、ネズは、生まれてきて良かったんですね……」



 ちゅう。


 鳴いてしまった私の周りで、みゅーさんがオロオロして、ハムタックさんは、「モヒモヒ、特別だじょ」と言って尻尾を貸してくれました。


 そして、優しく撫でてくれたアサトさんは、私を掬い上げると鼻にちょんとキスしてくれたんです。


 「思いやりのあるネズちゃんの事は、みんな大好きなんだからね」


 チュウチュウチュウチュウ。


 胸が一杯で胸が一杯で。






 「我の責任は重大であるな」


 「そうですよ。家の子達に怪我でもあったら、家では、お肉は出しませんからね」


 「えっ、えっ、えっ、ママァ、それ本当ぉ?」


 大きくなったルビさんが尻尾をドッタンバッタン振り回してしまい、大変な騒ぎになりましたが、どうにか出発出来ました。

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