白鼠ネズちゃんのレポート2
中々話し出せないコルネラさん。
そのうちにみゅーさん達や沢山いる子供さんも帰って来てしまいました。
「良かったら、みゅーちゃんのところに泊まって行けばいいよ」
「みゅみゅっ。コリュネリャしゃん、泊まっちぇいっちぇ」
みゅーさんは、デルタさんから飛び降りて、テーブルに手をついて足をバタバタさせてます。
「親分、連絡は噺鳥さんにお願いして、また明日迎えに来てもらえばいいでしょう?」
「うーん、チョンチョンチョン」
親玉さんは、一つの指を突き合わせてます。とっても器用です。
「神子様のー、おー邪魔でなーければ、そーしますー」
「ふふ、遠慮しないで、これからも、みゅーちゃんやネズちゃんに会いに来てあげてよ」
「みゅみゅっ。アシャトありがちょう」
「ランラーラン♪」
親玉さんとみゅーさんが楽しく踊っています。
だから、私もチョロチョロしてハムタックさんみたいに、尻尾を振ってみました。
「ネズちゃんの尻尾は、細くてしなやかだね」
アサトさんがニコニコして見ていました。
「プアッ、プアッ」
ローちゃんもテーブルに降ろしてもらって、タンタンと叩いています。
少しだけ、また踊らされてしまうのかと怖いのですが、大丈夫なようでした。
*
夜の食事は、ベランダの戸を開けて皆さんで集まりました。
楽しく騒いでいると、いつも竜王様が飛んで来ます。
「白銀王、またいらしたんですか?」
アサトさんが少し呆れたように言ってます。
「ルビが伝えてくるからいけないのだよ」
私達を怯えさせないように小さな体になって下さいますが、キラキラと光り輝いていて、やっぱり近寄り難いです。
「ネーズさんは、随分大きーくなったーね」
「みゅみゅっ。アシャトの作りゅチージュが白くちぇ柔らかくちぇ、ちょーちぇも美味しいからぢゃよね」
「はい。つい食べ過ぎてしまいます」
「そーなの? 羨ーましいな、チョンチョンチョン」
「まだ、我は食べた事がない物だな。それはいつ頃食事に出るのだ?」
「白銀王やルビには出せませんよ」
「それは、どうしてだろう?」
「少ししか量が作れないんですよ。だから、小さな子供限定です」
「我も、形ばかりであれば小さいのだがな」
竜王様のおねだりにも、アサトさんははっきり言ってしまうんですね。
竜騎士さんがお帰りになると、私達だけになって、またのんびりまったりの時間です。
「近頃、海辺も騒がしいが、山の向こうも騒がしいようだな」
竜王様が親玉さんに話しています。
「私達の国はー、海ーの守り神様をー信ーじていーるので、海ーに出ーるのを反対ーする人がー騒いでいるのーです」
「人とは愚かな」
「みゅみゅっ。誰か喧嘩しちぇいりゅなりゃ、みゅーがいつぢぇも眠りゃしぇちぇあげりゅよ?」
「チョンチョンチョン、みゅーさんあーりがとう」
「小さき者よ、それでは解決にならんのだよ。人は、どうしてか一つに決めたがるのだからな」
「みゅみゅっ。ふみゅみゅっ」
私には難しくて、眠たくなってしまいました。




