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地の妖精ノームの大冒険  作者: 風 ふわり
白鼠ネズちゃんの願い編
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白鼠ネズちゃんのレポート1

 みゅーさんを訪ねてから、みゅーさんの(ミニチュア)マナーハウスに住ませてもらっていましたが、やっぱり、青空や草や風が大好きで、元気になってからは走るのもとっても大好きになってしまって……。


 それで、お庭に住まわせて下さいとみゅーさんにお願いしたら、アサトさんが、木と葉を使って作った『ネズの巣』を用意してくれたんです。


 場所は、揺れる椅子のあるメテルさんの近くです。


 そこからベランダ迄走るには、丁度良い運動になります。


 ただ、遠出してハムタックさんと離れたりすると遭難してしまうのですが、そんな時はいつも、竜のルビさんが仕事から帰って来て、小さな鼠の私の事を見つけてベランダ迄運んでくれるんです。


 「ルビさん、アサトさんが木の実入りのマフィンを作っていましたよ」


 「本当ぉ~、僕の分あるかなぁ」


 ルビさんは、嬉しそうに長い首をクネクネされるから、チュチューと角に掴まってしまいました。


 「放してぇ~、そこはぁ擽ったいかなぁ」


 のんびりなルビさんは、感情が分かりやすくて自分の事を『僕』と言ったりして、時々人みたいに思えます。


 ママがアサトさんですから、きっと、人のように育ってそして平等に優しいのですね。


 ■ 


 ある日、小人の親玉さんがアサトさんに会いに来たって、ハムタックさんが教えに来てくれました。


 コルネラさんも一緒みたいです。


 ハムタックさんの頭上にのせてもらって、食堂の窓を叩けば、いつも食堂で物を作っているアサトさんが気付いてくれました。


 「うん? どうした」


 「チュッチュチュウ、モヒモヒモヒヒ」


 「うーん、代表してどっちかが話してくれるかな?」


 「アサート様、お久し振りでーす」


 ペコリ。


 私達が説明するより先に、小人の親玉さんが話してしまい、娘のコルネラさんがお辞儀をしていました。


 「親分どうしたの? コルネラさんも」


 アサトさんは、二人を掬い上げてベランダのテーブルに載せました。


 「知らせてくれてありがとう。ハム太、ネズちゃん」


 そう言って、木の実を沢山くれました。


 使い魔の風神(ジン)さんは、ローちゃんを抱えてアサトさんの座った後ろに立って、しっかり子守りと護衛をしています。

 格好いいです、憧れます。


 「鞄のー糸が足りなーくなったのでー、こうしてー取りにーきました」


 「そっか、それならクイナさんに頼めば良かったのに?」


 コルネラさんがモジモジしてます。


 「じーつは、娘がー」


 「ああ、コルネラさんが俺に相談があったんだね。ふふ、何かな?」


 コルネラさんの顔が真っ赤です。


 「あ~、ノーサスの事か……」


 コックリと頷いています。


 「ん~、ノーサス……何だろう?」


 アサトさんでもわからないんですね。


 ハム太さんが焦れったくなったのか、テーブルに鼻を載せて「フゴーッ」と吹いていました。


 それで、細いコルネラさんが、ヨロヨロしてしまいアサトさんが手で受け止めています。


 「ハム太ってばもう、ごめんねコルネラさん。ちょっと接し方が違うだけで、コルネラさんの背中を押そうとしただけなんだよ」


 「大丈夫です。少し驚きましたが、私が話さないからいけないんです」


 「お茶でも飲もうか? 今日はね、ミックスジュースを作ったんだよ。味見してくれる?」


 アサトさんもやっぱり平等に優しいです。


 そう言えば、今日はみゅーさんが居ません。また、ギルドと言うところでお仕事をしに行ったんですね。


 私も何かお役に立てたらいいのに……。

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