いい夢
「パラリンみゅみゅ~」
抵抗虚しく、ガルーダの口へ落ちていく。
パクッ。
ガルーダは、見事ナイスキャッチ! した。
みゅーは、残念にも食べられてしまった……。
が、その直後、ガルーダの巨体がふらつき、バササッと横倒れしたのだ。
まさか、みゅーは毒物なのか?
草原に倒れたガルーダからは、「ガグーゥ、ガグーゥ」と、イビキが聴こえてくる。
どうやら、みゅーを口にしたまま、寝ているようだ。
足を投げ出し、口からは、だらしなく長い舌とヨダレがたれている。
「うんしょ、うんしょ、うんしょ」
なんと! 舌の裏から、小さいみゅーが這い出てきたではないか。
「ふみゅー、ベチョベチョ……」
みゅーは、泣きたいのを堪えて、草で汚れを拭いてから、またしても、バックから出した家に入ってしまった。
◇◆
「じぇんじぇん進めないの……」
体を拭いて着替えたみゅーは、ハンモックのモコふわ布に、顔を埋めていた。
「みゅー、一人じゃ何にも出来ない……」
すりすりと、感触を確かめていたら……。
『本当にそうかな?』
「みゅっ! アシャ……トの声?」
『今まで出来なかった事が、出来てたでしょう?』
「アシャト、みゅー出来ちぇちゃ?」
『そうだよ。もう立派なノームだね』
「うみゅ、眠りの粉がやっちょ自分(の意志)で撒けちゃの」
『みゅーちゃんは偉いなあ』
「うふふ」
疲れたみゅーは、どうやら良い夢を見て、寝てしまったみたい。
みゅーは、気づいてないが、風で大分、南に流されてしまったというのに、呑気なものだ。