帰ってきた & 朝の時間
みゅーちゃんが無事に帰ってきた。
食堂でいつものように作業をしていたアサト。
みゅーは、その周りでピョンピョン跳ねていた。
「アシャト、みゅーは、ノーミュなんぢゃっちぇ」
「うん、それをみゅーちゃんが言うとそのままだね」
ニコニコ聞いてくれるアサトに、みゅーも満面の笑みを向けた。
「みゅーね、自分ぢぇ時間を集めりゃりぇるの」
「凄いね、良く頑張ったよ。本当にね」
「うみゅ。アシャト、お手紙読んぢぇくりぇちゃ?」
「ふふっ、綺麗な絵だったよ」
「うみゅ、アシャトに見しぇちゃくちぇ、みゅーは、毎晩描いちぇいちゃんぢゃよ」
キラキラのデカ目を向けた。
「ありがとう、俺の宝物になったよ」
「うふふ」
もうみゅーは嬉しくて、ずうっとアサトに話し掛けたのだ。
アサトは、子供達の洋服や制服を新調してあげたくて、縫い物をしながら聞いていた。
新しく雇ったデルタ君にも、ボタンつけをしてもらっている。
「みゅーちゃんも、せっかくだから不眠症の患者さんを癒してあげたらどうかな?」
「みゅみゅみゅっ! 皆の役に立ちぇりゅなりゃ、みゅーやっちぇみちゃい」
「それじゃあ、デルタ君。みゅーちゃんと行ってギルドに申請してきてよ」
「は、はい」
緊張してガチガチのデルタは立ち上がってしまう。
「ヂェリュ、アシャトは怒りゃないから安心しちぇ」
コテンとない首を倒すみゅー。
「それは、わかってるよ」
恥ずかしそうに頬を掻いたデルタ。
「家は、レスター君が恐いからね~」
アサトがそう言って笑った後ろに、レスター(執事)は立っていた。
「アサト様、今、何かおっしゃいました?」
「ヒイーーッ!」
今度はアサトが飛び上がった。
「ギルドで申請するなら、これが必要ですね」
チャリリと小袋に入れた銀貨をテーブルに置いたレスター。
「みゅーちゃん、帰りにデルタ君とお茶でもしておいで」
「みゅーは、アシャトのお茶が大好きぢゃよ」
「ありがとう。でもね、たまには町を楽しむのもいいと思うよ?」
「うみゅ、わかっちゃ。みゅーヂェリュちょ行っちぇ来りゅね」
素直なみゅーは、アサトの提案に頷いたのである。
「ちゃんと命綱をつけて行くんだよ」
ヨジヨジ登ってデルタのポケットに納まったみゅー。
まだ心配だけど、出来るだけ外に出すようにアサトはしていたのだ。
閉じ込めておきたい気持ちに負けない為に。
『みゅーちゃんの朝の時間』




