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地の妖精ノームの大冒険  作者: 風 ふわり
みゅーちゃん編
50/97

決着 1

 「フィン!」


 悠々と腕を組んで立っていたのは、暗闇でも光る金髪の麗しい旦那だ。


 「アサト! こんなところにどうしたんです?」


 「髪を追いかけて……そんなことより、この人達生きてる?」


 「え、ええ、なんとか」


 『アサトが来なかったらわかりませんでしたが』


 フィンは、心の中で続けた。


 「なら、訊いて! 本物のみゅーちゃんが何処に居るのか」


 「本物って? ……まさか、騙したのですか?」


 「うん、渡されたのは、みゅーちゃんじゃなかった」


 アサトは、倒れている二人に近づいて、起こしてみたが、白目を剥いた男達は、崩れてしまった。


 「フィンンン……」


 涙目で睨まれて、ドキッとしながらフィンは、二人をサッと縛ってしまい、ポーションを(いち)()滴垂らしてからカツを入れた。


 山頂に取りに来た者ではない方が、目覚めたようだ。


 冷静に状況を把握してから喋り出した。


 「噂の竜騎士様が相手では、かなう筈がありませんな」


 「みゅーちゃんは、みゅーちゃんは何処?」


 上品な男は、アサトを目にしてこう言った。


 「どうですかな? 大事なものを奪われる痛みは?」


 『まさか!』


 アサトは、悪い想像をしてしまい、よろけた体をフィンディアルに支えられた。


 「みゅーちゃんに何をしたの……」


 「ふっ、何もしていませんよ。こう見えて、私は、紳士ですから」


 のらりくらりと、アサトの反応を楽しんでいるようだ。


 「じゃあ……騙しただけ?」


 「捕まってしまいましたから話しますが、私どもも探していたんですよ。確かに、乗っていた鳥を打ち落とせた筈なのに、影も形もなかったですからね」


 「じゃあ、あなた達がクイナに矢を射たんですか!」


 「ええ、取り引きに使いたかったものですから」


 「どうして……」


 「どうして? ふっ、呑気な方だ。私から、大切な切り札を掠め取って行きながら、挨拶がないばかりか、金を取りに来いと呼びつける」


 『お金を取りに来いなんて、そんな無礼な事言ったことは……』


 アサトが思い出そうとしている時、フィンが相手の名前を呼んだ。


 「元、フォックス商会会長のフォックス・ダリル」


 「フォックス商会!」


 アサトは、遠い昔の義弟の過去を思い出した。

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