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地の妖精ノームの大冒険  作者: 風 ふわり
みゅーちゃん編
48/97

要求

 「随分と具体的ですね」


 帰ってきた早々にフィンは、言った。


 「うん、そう言えばラクーンの実験が失敗した後、片付けていなかったかもしれなくて……」


 「そうでしたね。あの時、舞台の準備か何かで忙しかったですから、忘れてしまったとしても、仕方がないですよ」


 「うん……」


 「心配しなくても、人質にしているのですから、大切に扱ってますよ」


 「そうならいいけど、みゅーちゃんの家の、冷庫の品に全く変化がないから生きているのか心配で……」


 涙ぐむアサトを、優しく抱き締めるフィン。






 まだ試作段階の、映像の魔道具の設計図と魔方陣を入れた鞄を作った。


 多分、山頂の火口付近を取引場所にしたのは、人の隠れる場所がないからだ。


 フィンは、考えがあります。と言って、王宮に行ってしまい、アサトは竜の白銀王(プラチナキング)に頼んで、養い親のグラドの山小屋に連れて行ってもらった。


 フィンの方では、デルタからもたらされた情報で、カーリング皇国に調べてもらっている。





 翌朝、独りで山頂を目指したアサト。


 フィンに教わった風魔法で、ジャンプしながら登って行く。


 火口の辺りを探してみれば、赤茶けた大きな岩があって、すぐに、それだとわかる事が出来た。


 「まだ、時間があるから、少し離れていよう」


 アサトからも、近づけばすぐにわかるから、敢えて、何もない場所で待機することにする。


 『どうか、みゅーちゃんが無事でありますように』


 もう、何度も祈った願い事を念じるアサト。


 日はもう傾き、辺りが赤く染まってきた頃、約束の赤茶けた岩の前に立った。


 「どこからも来る気配がないなあ」


 その時だ。


 「そっとしゃがめ!」


 岩の下の隙間から、圧し殺した声が命令する。


 アサトは、言われた通り腰を落とした。


 「約束の物をこの穴に入れろ!」


 「みゅーちゃんは? みゅーちゃんを返してもらってからだ」


 「この岩の後ろの箱に入れてある。早くしろ!」


 「わかった」


 アサトは、用意した鞄を穴の中に入れて、すぐに岩の後ろに回って、小さな箱を手にするのだが……。

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