ユニーの葛藤
ユニーが早々に戻った時、奥の間には、散らかしているみゅーとノーサスしか居なかった。
「何をしているのです?」
「みゅみゅっ、お帰りなしゃい。今、アシャトにお手紙を選んぢぇましちゃ」
「アサトに?」
「うみゅ。大好きなアシャトに、みゅーが見ちゃ、綺麗なお花しゃんを教えちぇあげりゅの」
嬉しそうに笑うみゅー。
成る程、私は試されているのだと、ユニーは、理解した。
女神様が、何を思って私に儀式の種を預けたのか……。
「みゅー、そなたがノーミュになってしまったのは、アサトが、お前の黒卵をアイテムボックスに入れてしまったからなのですよ。そなた独りだけ、時空間の異能力を持ってしまって、寂しくはないのですか?」
「んみゅ? この、能力ぢぇ(で)、色々ちょ(と)助ける事が出来ちぇ(て)、友達が増えちゃ(た)よ? みゅーが寂しかっちゃ(た)時、アシャトは、モコふわの布ぢぇ(で)ベッチョ(ベット)を作っちぇくりぇちぇ(てくれて)、甘いプリンを食べしゃしぇちぇくりぇちゃ(させてくれた)の。しょりぇ(それ)から、しょりぇから、ボッチどおし一緒に暮らしょうっちぇ(そうって)……みゅー、嬉しかっちゃ(た)……ちゃ(だ)から、アシャトに早く会いちゃ(た)いの」
まあるい美しい雫が、ポトリとみゅーの頬を伝って落ちた。
その、純真さでユニーのモヤモヤは、晴れてしまった。(ユニコーンの性質上、純真なものに弱い)
「アサトは、魅力的な人族なのですね」
こうして、みゅーは、まだ子供でいたい理由を伝え、ユニーから、小瓶を委ねられたのだ。
ノーサスは、アイテムボックスとは、アイテムバックと同じ物だと聞いて、絶対に手に入れようと決心した。
妖精女王達が不在のまま、儀式は終了してしまった。
ここで、変身を遂げたノーム、ノーミード達には、女王が作った綺麗な服をいただくのだが、みゅーには不要な為、アサト宛ての手紙を預けて、クイナに送ってもらう事にした。
「アシャトは、みゅーかりゃの手紙を喜んぢぇくりぇりゅかなあ」
みゅーは、ドキドキしながら、ノーサスとクイナに乗った……ところまでは覚えていた。




