表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地の妖精ノームの大冒険  作者: 風 ふわり
みゅーちゃん編
43/97

待っている間

 「ところで、みゅーちゃんは、男になりたいのか女になりたいのか、どちらかに決めてありまちゅか?」


 妖精女王は、肝心な事を訊いていなかった事を思い出した。


 「うふふ。みゅーは、いつまぢぇ(で)もアシャトの可愛いみゅーぢぇいちゃい(でいたい)の。ぢゃ(だ)から、まぢゃ(だ)決めちゃ(た)くないの。ぢゃめぢぇしゅ(駄目です)か?」


 「まあ、本当に愛らしいこと」


 プニプニと、みゅーの頬を突っつく女王。


 「アスベル、アスベルゥ、ぽっくんの頬にはしてくれないの?」


 短い足をプラプラさせた王様は、女王に向かって手を広げていた。


 「まあ、オルチャンたら、貴方が一番に決まっているでしょう?」


 女王は、小さな王様を軽々抱き上げて、骨も砕けよと抱き締める。


 ボキボキ。


 「キャーーッ! 痛いよ痛いよー」


 「あら、ごめんなさいまし。私ったら、貴方への愛が強すぎてしまいましたわ」


 メソメソ泣いた王様は、女王の腕から逃れて、飛んで行ってしまった。


 「オルチャン待って下さい」


 と、女王も飛んで追いかける。


 ノーサスは、いつも女王が追いかけている理由が、これなんだと分かったが、別に知りたくもなかった事だと思い、ため息が出た。


 みゅーは、置いていかれてしまい、どうしたらいいのか困っていたが、これが終われば、アサトのところに帰れるからと、嬉しくて浮かれて、トテトテとスキップをして尻餅をついていた。


 「アシャトが時々しちぇいりゅシュキップは、難しいね」


 そうだ! アサトに今まで書いた落書きじゃなくて、手紙や絵を送ってもらえないか訊いてみよう。


 思い立ったみゅーは、鞄から取り出して、整理をしたのだ。


 「それは何?」


 と、ノーサスが訊いてきたが、どれを送るか真剣に選んでいたみゅーには聞こえていなくて、ノーサスは、勝手にそれらを手に取って眺めたのだ。


 「変わった模様だ」


 「しょりぇは、お花しゃん」


 「そうか、すまない」


 「こっちのお花も見せちゃいから、どうしようかなあ」


 ノーサスには、ペタペタついている、みゅーの手の跡や、鼻先、まあるい頬っぺたの跡の方が面白くて、それがいいと勧めてやった。


 「ノーシャス、ありがとう」


 素直なみゅーは、どうやら、それに決めたようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ