閑話 妖精女王の嘆き
私、妖精の女王をしておりますの。
ある時、一目惚れしたオルチャンと結婚して(うん、と言うまで追いかけた)、テンプルと言う王女が生まれましたのよ。
ですが、魔のイタズラで私にソックリですの!
どうして、どうして、オルチャンに似ないのかしら!
妖精の女王は、跡継ぎの他にも、沢山の妖精を産む使命がありますの。
その為に、頑強で屈強な身体が必要になりますのよ。
だから、私は、妖精の女王でありながら、可愛いらしさの欠片もない姿に、生まれついてしまいましたの。
そんな、絶望の中で、ようやく見つけた、珠のように可愛いらしいオルチャン。
妖精達は、更に、可愛いく生まれてくるようになりましたの。
ああ、それなのに。
どうして、世継ぎの我が子は、私に……。
私は、現実を受け入れる事が出来ず、世継ぎを……テンプルを……トオテン(爺)に預けてしまったのです。
それが、先ほど妖精の国に参った、みゅーの話しによれば、人族の第二王子と同棲していると言うのです。
ああ、全くなんてことでしょう!
人族とでは、結婚など出来るはずもないと言うのに。
大地の守り役のペガー(ペガサス)では、頼りないわね。やはり、森の守り役のユニー(ユニコーン)に相談するべきかしら。
ああ、本当にどうしたら良いのでしょう。
女王は、トオテンが、王子として育てた事を知らなかった。