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地の妖精ノームの大冒険  作者: 風 ふわり
みゅーちゃん編
36/97

出会いと別れ

 「このまま、みゅーに着いて行くことにした」


 「えっ? でも、妖精の国には、一人で旅をしなければ、試練にならなくなってしまうわ」


 「通常ならそう思うさ。だが、みゅーは、人を助けたり動物を助けたりしている。今だって、子ネズミが一緒だ」


 「確かに、それはそうね」


 「ああ。でも一番は、すでに能力を持っている事だ」


 「そうね、時間を操るノームなんて初めて見たわ」


 「性別なんて、恋すれば顕れるものだから、この先どうなるのかを知りたい。それから、神子(みこ)様にお会いしたいんだ」


 「貴方ときたら、知りたい事だらけね」


 「ああ、そうだ。他に大切な相談もあるから、だから、当分帰って来ない」


 ノーサスは、真剣な顔をしてコルネラを見詰めた。


 「……そう。わかったわ」


 寂しげな表情を浮かべて、無理して笑うコルネラだった。


 ◇◆


 『最初に会っちゃ、怪しげな小人のおじしゃんが、みゅーに言うの』


 「子ーネズミはー、置いて行きなされ」


 「ぢぇも、食事が上手く採りぇないの」


 「大丈夫ー。発育がー悪いだーけでー、問題なーいからー、ここに居ればーおじさんが仲良くすーるよ」


 「ふみゅ。ネジュちゃんは、ぢょ(ど)うしちゃい?」


 「みゅーさんが、妖精の国に行く邪魔はしたくないけど、私にも何か手伝える事がないかと思って……」


 「みゅーは、ネジュちゃんが、元気になっちぇくりぇちゃら嬉しい」


 「みゅーさん……」


 子ネズミは、今の自分では、荷物にしかならない事がわかっていた。


 それで、残って元気になったら、帰りには着いて行って、今度こそ役に立ってみせると決心した。


 「では、ここで頑張ります。だから、気をつけて行ってきて下さい」


 「うみゅ。しょりぇなりゃ、おじしゃんと仲良くね」


 「はい」


 旅とは、出会いと別れなのかと、寂しく思うみゅーだった。

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