ノーサスの質問責め
もう何日、お空を見ていないかと考えるみゅー。
「チュッチュッチュウ(遅くてすみません)」
ーー以後、普通に喋りますーー
子ネズミが、無理して歩き続けようとするので、みゅーは、 "お茶" をしようと誘う。
不思議な事に、みゅーのカバンからは、幾つもスイーツが冷たいまま出てくる。
「そのカバンは、どうなってるんだ?」
ノーサスは、気になって仕方がないので、みゅーを質問責めにしていた。
「うみゅ。こりぇは、入りぇりゅちょころが(入れるところが)沢山折れちぇりゅから、伸びちぇ一杯入りゅの」
「冒険者達が使っている、アイテムバックと言う物か?」
そう言って、ノーサスは、カバンの中に手を入れようとして、パチッと弾かれてしまった。
「っ痛」
「みゅーが入りぇちぇも、何ちょも無いのに?」
「どんな風に出し入れするのか、試したかったのだが……」
「ノーシャスも欲しいの?」
「それは勿論」
「アシャトに発注しゅりぇば、作っちぇくりぇりゅよ」
「我々は、金貨を持たないから、頼むだけでは作ってもらえないだろう?」
「うみゅ。お仕事ぢゃから、材料費がかかりゅっちぇ(かかるって)いちゅも言っちぇちゃ」
「それなら、材料を持って行ったら、作ってくれるのか?」
「みゅみゅっ。アシャトの義弟のラクーンしゃんにも頼むから、時間がかかりゅの」
「王にお願いして、一度、神子様を訪ねてみたい」
「アシャトは、ちょっちぇも(とっても)優しいから、お願いしゅりぇば聞いてくりぇりゅよ」
みゅーが、こうして、カーリング皇国で宣伝してしまい、この後、殺到する注文にアタフタするアサトであった。
山の斜面を、ジグザグ登るように掘られた穴なので、余計に時間がかかっていた。
その間、子ネズミは、美味しい食事をいただいて、日に日に体力をつけていった。
◇◆
時折、小ワームや蟻などが、穴を勝手に繋げてしまうので、ノーサスがいなかったら、迷いに迷っていただろう。
やっと、小人の住むところまで戻ってきたみゅー達。
コルネラは、ノーサスとみゅーの無事を、とても喜んでくれたのだ。
「お帰りなさい。本当に無事で良かった」
「遅くなって、心配をかけてすまない」
ノーサスとコルネラは、恋人のように見えた。
小人の親玉の娘:コルネラ




