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地の妖精ノームの大冒険  作者: 風 ふわり
みゅーちゃん編
31/97

追いつめられて

 男が、みゅーごと捕まえようと伸ばした腕は、盛り上がった土によって阻まれた。


 「何だ? 何処行った?」


 「こっちだ、早く」


 上空から、自分と同じ位の大きさの妖精が飛び降りてきて、みゅーの腕を掴んで走り出した。


 「うみょっ?」


 大岩の裏の下に小さな隙間があって、そこから掘られた空洞を一緒にはしった。


 「もう、ここまで来れば安心だよ」


 「みゅみゅー? 私はみゅー、あなちゃは、誰?」


 振り返ったその小人は、何処か懐かしい感じがした。


 「自分は、土のノームのノーサス。コルネラに頼まれて、君の様子を見に来ていた」


 「コリュネリャの大好きなノームしゃん!」


 「えっ! そんなことまで話していたのか?」


 恥ずかしくて、動きが止まるノーサス。


 「うみゅ。助けちぇくれちぇ、ありがちょう」


 みゅーは、意に介さず続ける。


 「しょりぇに、小人しゃん達の、道の入口がわかりゃなくちぇ困っちぇちゃから(てたから)、助かっちゃ(かった)の」


 「そっ、そうか。なら、早く行こう」


 「うみゅ。しょりぇかりゃ、妖精の国は何処にありゅか知っちぇりゅ?」


 「そうか、名前を貰いに行くのか」


 「しょう」


 「君は、里の者じゃないね。何処から来たんだ?」


 「みゅみゅっ。王都にありゅ、竜騎士のお家かりゃぢゃよ」


 「竜騎士! とは、あの雷竜(ルビ)様が乗せている人族の……」


 「うみゅ。しょうなの。みゅーは、しょこのキッチンぢぇ生まれちゃの」


 「なんでまた?」


 「アシャトが教えちぇくりぇちゃ(てくれた)のは、食材と間違えちゃっちゃっちぇ(ちゃったって)」


 「食材? 球根ではなくてか? 随分と変わった理由だな」


 「うみゅ」


 「災難だな。そうやって、遠くに持って行かれたら、この山に辿り着くのは、難しい」


 「うみゅ。大変ぢゃっちゃ(だった)」


 「ノームの里と、妖精の国はすぐ近くなんだ。良ければ、里に寄っていかないか?」


 「みゅみゅみゅっ! しょうなの? うみょっ。ぢょうしょう」


 みゅーが悩んでしまって、会話が途切れたのだった。

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