山に向かう
みゅーは、配達鳥に乗せてもらい、少しでも日のあるうちに山に向かうのだった。
山裾が見えてきた頃、みゅーは、鳥に声をかけた。
「ここぢぇ降ろしちぇ(ここで降ろして)」
「ピュールル」
風が強くなってしまい、これ以上行ったら、鳥が帰れなくなってしまうからだ。
みゅーは、小人達の地下の坑道の入口を探すつもりでいた。
「ありがちょう、鳥しゃん~」
「ピュールルルー」
二度上空を旋回して町の方に羽ばたいて行った。
「んみゅー、動物しゃんを探しぇば、わかりゅかな?」
みゅーが、呟いたその時だ。
バサッ。
「よし、捕まえたか?」
「ああ」
「丁寧に扱えよ」
「わかってるさ」
「みゅみゅみゅっ! 何しゅりゅの?」
フードを被った男達に、袋を被せられてしまったようだ。
「へ~、これがノームか。ムチムチしてるな」
確認する為に、袋からみゅーを取り出す男。
その瞬間を逃さず粉を撒く。
「パラリンみゅみゅー」
「フガッ」
男は、上手く眠りの粉を吸ってくれたようだ。みゅーは、そこから逃れて走る。
「おい! どうした? ハッ! 待てコラ!」
もう一人が、みゅーが逃げた事にきづいて、袋を拾って追いかけてくる。
土の力を借りて霊力をあげても、大きな人には敵わない。
とうとう、大岩に進路を阻まれて、追い詰められてしまった!
「ぢょうしちぇ、みゅーを追いかけりゅの?」
「ぢょうしても、こうしてもないな。お前が金になるからだよ」
「お金? しょりぇなりゃ、こりぇあげりゅ。だから、みゅーを追うのはやめちぇ?」
カバンから、美しい鉱石を出して見せた。
「へぇ~、綺麗な物だな。まあ、貰っといてやるか」




