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地の妖精ノームの大冒険  作者: 風 ふわり
みゅーちゃん編
24/97

デルタの帰還

 「ふみゅ? ガリューヂャ様がいない?」


 「そう言えば、見かけませんね」


 二人は、キョロキョロした。


 遠くからでも見える、クリスタルのお城。


 その周囲には、飛竜(ワイバーン)が飛んでいる、黒い影が見えた。


 「こちら側には、飛竜(ワイバーン)が多数飛んでますから、難しいかもしれませんね」


 「みゅみゅっ! 向こうには、竜しゃんが沢山いりゅよ?」


 「先日、この大陸に降臨されたのですよね。カーリング皇国の国民は、歓喜に湧いてます。それには、みゅーの大好きなアサト様と、雷竜(ルビ)様が関わっていらっしゃると、噂になってますよ」


 「アシャトの家族ぢぇ海に旅行に行っちゃの。その時に、海竜(シードラ)しゃんと出会っちぇ、海竜(シードラ)しゃんが平和な国があるっちぇ話して、それを聞いて白銀竜(プラチナキング)しゃま達がきたんぢゃっちぇ」


 「!」


 平民のデルタには、驚く情報ばかりを口にするみゅーに、只、ただ、崇拝するばかりだった。


 家族として雷竜(ルビ)と過ごしたみゅーと、カーリング皇国では、竜を神聖視しているので、概念が違うのである。


 アサトなどは、神子(みこ)扱いだ。


 みゅーとしては、世間話しのつもりだが、デルタにしてみたら、雲の上の話しなのである。


 みゅーは、デルタの凄い者でも見るような態度が、壁のように感じて、ちょぴり淋しく思っていることを、デルタは知らない。


 ◇◆


 山を下りると立て札があり、サンドベルの町となっていた。


 「帰ってきたあー~!」


 デルタが叫んだその時だった。


 向こう側から、数人の冒険者だろうか、ものものしい感じで、向かってくる。


 みゅーは、ジーッと観察していた。


 「お前、一人で下山したのか? まさか、デルタじゃないだろうな?」


 三角耳のついた、筋肉ムキムキの虎男が、グイっとデルタの腕を引いたので、みゅーは、すかさず眠りの粉を撒いた。


 虎男は、体をフラフラさせて、やがて座り込んだように眠ってしまった。


 後ろにいたメンバーに緊張が走り、一触即発状態になる。


 それなのに、デルタのポケットから、ヒョッコリ顔を出したみゅーは言った。


 「みゅみゅっ! 初めましちぇ。みゅーでしゅ」


 「……」


 「……」


 「可愛い!」


 魔法使いの女性冒険者が、辛抱たまらず近づいて、みゅーに人差し指を向けたのだ。


 みゅーは、アサトとの挨拶を思い出して、ぷくぷくほっぺを擦り付けた。


 これに、魔法使いはきゅん死にした。(瞬殺)


 「はわわわ」


 と言っている。


 それから、ポケットから飛び出したみゅーは、神官のもふもふ尻尾に飛び付いて、「モコふわなの」とご満悦だ。


 「いや~、そこはやめて~」


 神官の狐の冒険者は、自分の尻尾を追いかけて、くるくる回って目が回ってしまったらしい。


 その様子を見せられて、デルタと冒険者のリーダーの剣士は、為す術べなく立ちつくす。


 みゅー、恐るべし。

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