小人の家族
仕方がないので、みゅーは、テテッと家の中に入り、冷庫(転送装置)から美しく盛られたスイーツを、各種取り出し、カバンに詰めた。
「アシャトが作っちぇくりぇちゃ、シュイーチュ(スイーツ)が入っちぇりゅから、チェーブリュ(テーブル)に出しちゃいの」
「そうですかー、でーは、こちらにー」
どうも、小人の代表者のようなのに、挙動が可笑しくて、ぷぷっと笑いたくなる小人さんだった。
良く見ると、地下の広場には縦穴が掘られてあって、それが、個々の家の入口になっている。
みゅーが案内されたのは、このおじさんの家みたいで、中は、更に幾つもの縦穴が掘ってあり、部屋の入口には、美しく織られた布が垂れていた。
どうやらその織物が、仕切りの役割をしているようだ。
「うみょー。迷子になりゅう」
みゅーには、同じような入口に見えて、ジタバタしてしまう。
すると、おじさんの家族(みんな、同じ顔していたから)もそれを見て、全員ドタバタ踊った。
そんな事をしているうちに、楽しくなってすっかり打ち解けたみゅー達。
大きな木のテーブルがあるところに案内され、バックからスイーツを取り出し並べていく。
「キラキラぷるぷる」
「ゆーれ、揺れる」
「すんすん、アマ~い」
小人の家族は、器よりも中身に夢中だ。
「んみゅ。食べちぇもいーよ」
小人の家族は、シュタっと、何処からかマイスプーンを取り出して、一掬いしては、隣りの者に回していくを繰り返す。
みゅーは、連携の取れた動きをジッと見詰めていたので、目が回ってふみゅみゅー~と言った。
最後に、赤ちゃん鳥の絵柄がついたカップを残し、何処かに持って行ったのだ。
みゅーは、ふと、考えた。
「割れちゃ物はぢょうなっちゃの(どうなったの)?」
「そーれは、籠に取ってある~」
「みゅみゅっ! ちょっちょ(ちょっと)、見しぇちぇ」
「ホッホッホ~、いいとも~」
家族が取ってきてくれたので、みゅーは、時間を巻き戻してみた。
「おーお!」
の歓声があがり、いつになく、頑張ったみゅー。
しかし……。
「ああーっ!」
良く出来たと思ったら、丁度真ん中が空いていた。
「ふみょー! 何か足りなかっちゃの」
「こ、こりはー、娘が一番気に入ってた部分だね~」
ポッカリ空いた穴に指を入れて回す家族達。
みゅーには、どうして、そうなったのか分からずガッカリした。
戻ってきた家族が、おじさんに耳打ちして、みゅーは、その娘さんに会いに行くことになった。
小人のおじさん【小人:風の妖精。カーリング皇国の山の地下に住んでいる。地上に暮らす者達に、ちょっと親切をして(余計なお世話では、決してない!)頼まれた品をお礼にいただく。小人の親玉】
尖り帽子に吊りズボンで、これは、ないか……。やはり、下手でも、挿し絵は必要か……。orz




