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地の妖精ノームの大冒険  作者: 風 ふわり
みゅーちゃん編
20/97

地下の穴

 「やっと、国境を越えました。後は、山を降りるだけです」


 ビョォーー。


 みゅーは、体に命綱をつけられ、今は、デルタの内ポケットに入っていた。


 言われていた通り、凄い風なのだ。


 さっきも、山の上から景色を眺めようとして、みゅーは飛ばされそうになっていた。


 カーリング皇国側であれば、飛竜(ワイバーン)に乗った竜騎士が見回っているので、いざとなれば、助けを求める事が出来る筈。


 『一安心です』


 デルタがそう思った時、右足がズボッと穴に落ちたのだ!


 「のわっ、いーーっ!」


 したたか、又の間を打ってしまい、デルタは、声にならない叫びをあげる。


 まだ、性別のないみゅーには、その理由がわからないので、クネクネ這うデルタに、不思議そうにする。


 デルタの体を伝って、みゅーが、腰の部分まで到着すると、デルタが空けた穴から、六つの目と目が合ったのだ。


 「みゅみゅっ!」


 「ムキュキュ!」


 そのまま、ズリズリと後退ったみゅーは、デルタの鼻の頭に飛び付いた!


 「ヂェリュ! 穴の下から、むきゅむきゅ言っちぇりゅ!」


 「ムキュ? あ、大変だ。小動物達の棲みかを壊してしまったかも」


 「うみゅ。目が六ちゅこっちを見てちゃの」


 「フゥー」


 やっと、復活したデルタ。


 「参ったなあ。修復してあげないと、山の動物達や小人が困ってしまうね」


 「うみゅ? 小人?」


 「そう。こっちでは、風が強いから、みゅーみたいな小さな妖精や小動物達は、木の洞から穴へ。穴から地下へと通路が出来ているんですよ」


 ニッコリするデルタは、年齢より若く見えた。


 「さて、木の皮を剥がして載せて、土を盛ればいいと思うんだ」


 「みゅー、ちょっと小人しゃんに挨拶しちぇきちぇもいい?」


 「いいですよ。私は、そこで、木の皮を剥いでいますから」


 デルタは、紐をほどいて、みゅーを穴に降ろしてあげた。




 穴の中では……。


 「ノームだ」


 「壊した」


 「人族もいた」


 ザワザワと騒ぐ声と、光る目。


 「みゅみゅっ! 初めましちぇ。私、みゅー。もう一人は、ヂェリュチャ(デルタ)っちぇ言うの。今、木の皮を剥がしに行っちぇりゅから、ちょっちょ(ちょっと)、待っちぇ下しゃい」

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