みゅーとの攻防
あまりの勢いで、みゅーに付着していた泥が飛んだ。
「みよぉー。そんな大声ぢぇ言わなくちぇも、みゅー聞こえちぇりゅよ?」
ハッ!
「クワークヮクヮー」
笑って誤魔化された。
「ガリューヂャ様は、ぢょうしちぇみゅーのこちょ(どうしてみゅーの事)、助けちぇくりぇりゅの?」
「それは決まっている。利用出来るからだ」
ハッ!
動揺して本音を言ってしまったらしい。
さりげなく、目を逸らしている。
それに対して、みゅーはと言うと……。
「みゅーは、ぢょう利用さりぇちぇりゅの?」
ド直球。
「そうではない。お前は、我の役に立つ事が出来るのだ。光栄に思え!」
「みゅっ! みゅーは、役に立ちぇりゅの? 嬉しい」
両手で、ぷくぷくほっぺを持ち上げた。
「そうだ。わかったなら、我に尽くせよ」
「うん。みゅー、頑張ちぇお手伝いしゅりゅね」
誰かの役に立てる事が、今のみゅーには、とても嬉しかった。
アサトの屋敷では、「みゅーちゃんありがとう」と、いつも頼りにされていた(本人談)から、必要にされて、素直に嬉しかったのだ。
それだから、みゅーの大きな瞳からは、キラキラビームが出てしまい。
ガルーダは、そのキラキラビームに歪んだ心を、ジリジリと焼かれ続け……それが辛くなり、そして……。
「お前は、やはりアホだ!」
そう言って、何処かに飛んで行ってしまったのだ。
「アホじゃないの、みゅーなのー~!」
叫んだところで、もう聞こえてはいないだろう。
それにしても、ボッチの捻くれガルーダに、みゅーは、辛い相手ではないのだろうか?
何しろ、みゅーちゃんは、悪い言葉を知らない、愛され妖精ですから。
ガルーダ【ガルーダ:空の魔物。竜に敵対心を持つ我愛の強い貪欲な魔物。グリフォンの上位種】




